本症は主に, 若い男子に好発する稀な疾患で, 最近注目されている. 我々は, 15才男子の本症にminocydine, fosfomycin を投与し, 約4カ月で軽快した症例を経験したので報告した. 症例: 顔面及び頸部には発疹を認めないが, 約3カ月前より上前胸部や上背部に, 膿疱形成を伴なう, 爪甲大の紅色扁平結節が多発. 急速に潰瘍化して, 発熱, 軽度の関節痛や全身倦怠感を訴えて受診. 検査所見では白血球増多, 血沈亢進, 血清鉄減少, 低albumin 血症, α
2-globulin の上昇を認め, 数回の培養にて
staphylococcus epidermidis,
streptococcus faecalisを検出した. これらの皮疹は最初, corticostemidやDDSの投与により増悪したので中止し, 上記抗生物質療法と鉄剤併用により, 胸背部の病変は, 急速に境界明瞭な隆起性瘢痕を残して軽快した. さらにlevamizolの投与により再燃傾向は抑制されている.
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