慢性蕁麻疹に対するOxatomideの有効性, 安全性, 有用性をClemastinを対照とした二重盲検法で, 全国12施設の共同研究で検討した。
Oxatomide投与群111例, Clemastin投与群112例, 計223例を検討した。Oxatomideは1日60mg Clemastinは1日2mgを服用, 2週間投与し以下の成績を得た。
1. Oxatomideの有効率は88.1%を示し, 総合判定では, Clemastinに対し統計学的傾向差をもってすぐれた結果であった。患者の印象, 有用性は, OxatomideはClemastinに比し良い成績であったが, 統計学的差は認められなかった。安全性は2薬剤間に差はほとんど認められなかった。
2. 前治療と比較して優れていると判定された比率は, Oxatomide群のほうがClemastin群よりも高く, 統計学的有意差が認められた。
3. 投与終了後の再発までの期間を調査したところ, 1週間以上再発しなかった比率がOxatomide群で44.8%と高く, Clemastinと比較して統計学的有意差が認められた。
4. 副作用の発生率はOxatomideが28.8%, Clemastinで24 .1%と統計学的にもほとんど差がなく, 種類は両薬剤とも眠気が大部分を占めた。
5. 臨床検査の結果は, Oxatomide群に9例, Clemastin群に13例異常が認められたが, これらは薬剤以外の原因によるものか, 臨床的に有意と認められる程の異常値ではなかった。またOxatomide投与の1例で薬剤関連性不明の肝機能異常が発生した。
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