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出馬 晋策
1986 年 28 巻 3 号 p.
203-204
発行日: 1986年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
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安原 稔, 馬渕 明子
1986 年 28 巻 3 号 p.
205-206
発行日: 1986年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
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本間 真
1986 年 28 巻 3 号 p.
207-208
発行日: 1986年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
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-結晶様構造-
白井 利彦
1986 年 28 巻 3 号 p.
209-210
発行日: 1986年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
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金 和子, 川津 智是
1986 年 28 巻 3 号 p.
211-212
発行日: 1986年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
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栗本 圭久, 柳原 宏四, 手塚 正
1986 年 28 巻 3 号 p.
213-214
発行日: 1986年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
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本間 真
1986 年 28 巻 3 号 p.
215-216
発行日: 1986年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
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本間 真
1986 年 28 巻 3 号 p.
217-218
発行日: 1986年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
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その組織発生について
周 光平, 森田 秀樹, 浅野 翔一, 長 等, 相模 成一郎
1986 年 28 巻 3 号 p.
219-226
発行日: 1986年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
組織学的に mononuclear infiltrative 型の多発性の granuloma annulare の皮疹を, 電顕とmonoclonal抗体法とによって検索した。この結果, 病巣内の類上皮細胞には分泌穎粒とphagoaomeは認められず, ミトコンドリアの増数が証明された。Leu 3a 陽性リンパ球とLeu 2a 陽性リンパ球は病巣の辺縁部に存在し, 前者が後者に比し数的優位を占めていた。免疫グロブリンの沈着は全ったく認められず, 僅かにC
3が病巣内血管に一致して証明されたにすぎなかった。
以上の検索成績と文献的事実とに基づき, granuloma annulare の組織発生について言及すると共に, 免疫病理学的見地からの類推を記述した。
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浅野 翔一, 宮崎 孝夫, 羽田 妙子
1986 年 28 巻 3 号 p.
227-234
発行日: 1986年
公開日: 2010/08/25
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フリー
我々は, 海綿状リンパ管腫の病巣を構成するリンパ管を光顕並びに電顕で観察し, 以下の様な結果を得た。 (1) 海綿状リンパ管腫病巣の中心部は深リンパ管網の存在する部位に一致した。 (2) この病変部には拡張傾向を示す管壁の菲薄なリンパ管の他に, 管壁の肥厚したリンパ管が存在し, また, その移行部も認められた。 (3) 電顕的には, (2) に於ける拡張リンパ管と肥厚リンパ管の両方共に, 管内リンパうっ滞時にみられる内皮細胞内フィラメントの増加と連続した basal lamina が認められた。
以上の様に, 同一病巣内のリンパ管が2種類の異った病理形態を示し, しかも, この所見はいずれもリンパの逆流による管内リンパうっ滞によって生じ得る形態であることから, この病巣がリンパのうっ滞によって形成された可能性が示唆された。
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伊藤 直子, 蜷川 よしみ, 松永 佳世子, 早川 律子
1986 年 28 巻 3 号 p.
235-241
発行日: 1986年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
赤血球グルタチオン還元酵素 (EGR) 活性法を用いて皮膚疾患とVB
2欠乏との関連について検討した。対象は尋常性〓瘡68名, 蕁麻疹16名, アトピー性皮膚炎30名であった。EGR 活性, FAD 添加後の EGR 活性, FAD効果, 血清総脂質量, 血清過酸化脂質量, WBC, Hb, lgE 値を測定し, 各データ間の関連性を検討した。FAD効果は尋常性〓瘡では, 軽症群1.07±0.05, 中等症群1.15±0.11, 重症群1.21±0.08を示し, 一元配置分散分析法により3群間に有意差を認め (P<0.05), Schefféeの多重比較により軽症例と中等症例および重症例間に有意差を認めた (P<0.05)。中等症以上の蕁麻疹14例中6例が FAD 効果1.3以上の異常値を示し血中 VB
2 の欠乏が推測された。
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早川 律子
1986 年 28 巻 3 号 p.
242-250
発行日: 1986年
公開日: 2010/08/25
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フリー
一般用医薬品外用鎮痛消炎エアゾール製剤として開発されたS-8130とその成分による皮膚刺激性の有無について, 健康成人ボランティア30名を対象に48時間 closed patch test, photo patch test を施行して検討した。closed patch test では配合成分の酢酸デキサメタゾンに±反応を1例認めたが, その他の成分, 製品では反応を認めなかった。Photo patch test では陽性反応は認められなかったが, 貼布後24時間に光照射前に判定した結果ではS-8130より酢酸デキサメタゾンを削除した賦香品・非賦香品に±反応を各4例と6例認めた。製品のS-8130では48時間貼布, 24時間貼布のいずれにおいても反応は認められなかった。
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須貝 哲郎
1986 年 28 巻 3 号 p.
251-260
発行日: 1986年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
ヒトにおける0.1%S-3460 (Alclometasone dipropionate) 軟膏の安全性を0.1% Hydrocortisone 17-butyrate 軟膏を対照として比較検討した。すなわち, 健康成人男子8名を2群に分け, 30g1日14時間5日間連続密封をcross-over方式で3週間の休止期間をおいて施行し, 両薬剤の全身的影響を血清コーチゾールを含む50項目にわたる臨床検査成績の変動で評価し, 局所皮膚への影響も併せて検討した。臨床検査成績の変動はすべて正常範囲内であったが, 血清コーチゾール値の低下は0.1% Hydrocortisone 17-butyrate軟膏群の方が有意に大きく, 0.1% S-3460軟膏は0.1% Hydrocortisone 17-butyrate軟膏より副腎皮質機能抑制が少ないといえる。また, 局所性副作用の〓瘡形成能では両薬剤は同等であった。
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大西 陽子, 赤枝 民世, 西嶋 摂子, 朝田 康夫
1986 年 28 巻 3 号 p.
261-266
発行日: 1986年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
44才, 男子。ビスフェノールA型エポキシ樹脂と変性ポリアミド硬化剤に同時に感作された職業性接触皮膚炎の1例を報告した。貼布試験48時間後判定1%, 0.1%, 0.01% ビスフェノールA型エポキシ樹脂に陽性反応を認めた。さらに72時間後より1%, 0.1% 変性ポリアミドにも陽性反応が出現した。
職場での配置転換により皮疹の再発はみていない。
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増田 理恵, 白井 絹江, 赤枝 民世, 二村 省三, 西嶋 摂子, 朝田 康夫
1986 年 28 巻 3 号 p.
267-271
発行日: 1986年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
43歳, 主婦。歯科用合金がロ腔内の10カ所以上に使用されている。昭和59年9月, 〓痒性紅斑が両下肢より順次上肢, 躯幹に出現し, 60年1月には, ロ唇および口腔粘膜の発疹に気づいた。生検組織および螢光抗体直接法の所見から扁平苔癬と診断し, 歯科用金属系列の貼付試験を行った。その結果, パラジウムに対する反応が72時間後陽性, 7日後強陽性となり, この皮疹は8カ月以上持続した。口腔内パラジウムが発症の誘因になった症例と思われる。
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大越 尚, 志賀 暁子, 飯田 芳樹, 足立 哲夫, 杉浦 功人
1986 年 28 巻 3 号 p.
272-277
発行日: 1986年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
Esterly らが報告した eruptive vellus hair cysts に相当すると思われる症例を報告した。21才の女性で5年前より, 胸部, 腹部, 大腿後面に丘疹が認められた。組織学的には, 真皮中層に存在する嚢腫で, 中に角質物質と軟毛断面を入れていた。連続切片で嚢腫壁に毛嚢を附着していた。嚢腫内容物の脂質分析を行ったところ, 表皮細胞由来と脂腺由来の脂質成分が混在していた。
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沢田 光夫, 石崎 宏
1986 年 28 巻 3 号 p.
278-280
発行日: 1986年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
61歳男子の乾癬患者の左上腕伸側に単発したmyxomaの1例を報告した。10×7×3mm の透明感のある結節で, 組織学的にヒアルロン酸を主とした間質の中に星芒状の細胞が散在し, 細網線維が認められた。
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桑原 まゆみ, 濱田 稔夫, 庄司 昭伸, 高橋 邦明, 中川 浩一
1986 年 28 巻 3 号 p.
281-286
発行日: 1986年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
多発性 Bowen 病に砒素性角化症を合併した1例を報告した。患者は56歳, 男。サルバルサンによる駆梅療法の既往がある。初診の3年前より?幹に黒褐色角化性局面が多発し, 足底に鶏眼状角化病変が散在している。病理組織学的には?幹部の角化性局面の表皮は hyperkeratogis, acanthosis を示し, 多核細胞や dyskeratotic cell が散在して典型的な Bowen 病の所見を示し, 足底部鶏眼状病変は著明なhyperkeratosis, acanthosis を示し, 細胞配列の乱れや異型性は認められなかったが, 砒素性角化症の所見に含まれる。Bowen 病の病変は切除および5-FU 軟膏の ODT にて治療し, 砒素性角化症については経過観察中である。本例の多発性 Bowen 病やその他の皮膚症状はサルバルサンによると結論された。
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早川 律子
1986 年 28 巻 3 号 p.
287
発行日: 1986年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
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Po-Chak Cheng, Yu-kit Chow, Boon-Sang Lee
1986 年 28 巻 3 号 p.
288-293
発行日: 1986年
公開日: 2010/11/30
ジャーナル
フリー
Chromium compounds, Such as chromium oxide, chromium trioxide, chromium chloride, and sodium and potassium dichromates, cause both cutaneous imitation and contact allergic sensitization. Numerous occupations involve achromium hazard.
Sources of bichromate sensitivity are numerous and will probably increase, given the valuable properties of chromates. Dermatitis in the cement industory due to small amounts of soluble chromates in the cement is not uncommon, although in some countries, such as Japan, the incidence is steadily decreasing. Allergic contact dermatitis from hexavalent chromium compounds tends to be insidious and persistent and has a tendency to relapge. The only way to improve the situation is to prevent sensitization by strict avoidance of prolonged contact With dichromate-containing material.
The present study reports a clinical survey which was under taken inacement factory. in Taiwans R. O. C. It was just a preliminary survey. In fact, due to the local legal restrictions, labor compensation problems, lack of knowledge, and most important of all, in sufficient support from the industrial employers, study on occupational diseases is quite a difficult task. It is evident that cement contact dermatitis is here to stay and indeed are likely to represent an increasing problem in the foreseebale future. It is a medical challenge as well as a social problem.
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特に免疫・アレルギーからみた発症機構
池澤 善郎
1986 年 28 巻 3 号 p.
294-306
発行日: 1986年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
薬疹の多くは免疫学的機序によるとされている。しかしながら, その機序はまだほとんどわかっていない。筆者らは発疹症型薬疹の動物モデルを確立し, この実験的薬疹が薬剤に対する遅延型過敏反応によることを明らかにした。またマウスにおいて薬剤に対するT細胞増殖反応性のMHC (major histocompatjbility complex) 支配機構を明らかにした。最近, graft versus host (GVH) 様の自己免疫疾患が自己反応性T細胞により誘導されることが動物モデルの研究によって示唆されている。そこでこのようにT細胞性免疫によるとされている発疹症型や苔癬型などの薬疹の免疫学的性状を動物モデルと比較検討し, その発症機構を考察した。
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珠玖 洋
1986 年 28 巻 3 号 p.
307-312
発行日: 1986年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
移植片対宿主反応 (Graft versus host reaction ; GVHR) は同種骨髄移植に際し, リンパ球により宿主体内でひきおこされる免疫反応である。反応を誘発するのはT細胞であり, MHCに対してのGVHRはヘルパータイプのT細胞が, またnon MHCによるGVHRではサプレッサー/キラータイプのT細胞がかかわっていると思われる, 近年白血病, 重症再生不良性貧血等の難治性血液疾患に対し, 同種骨髄移植が良好な成績をあげているが, GVHRは経過中に種々の臨床的問題をおこし, その克服が急務となっている。
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遅発性太田母斑との鑑別が問題になった症例
岡部 俊一
1986 年 28 巻 3 号 p.
313-316
発行日: 1986年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
43才料亭のおかみさん。初診3年前より右顔面に黒褐色の色素沈着。長期間資生堂の化粧品使用。化粧品のパッチテストで各種の香料に陽性。パッチテスト25日後同部位色素沈着。治療に抵抗性。後天性太田母斑との鑑別に問題を残す。生検の重要性を再認識。
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早川 律子, 松永 佳世子
1986 年 28 巻 3 号 p.
317-321
発行日: 1986年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
36才女性。アルミの皿に樹脂の小塊をのせて溶剤を加えて溶解しオーブンに入れ蒸発乾固し, 残留成分を分析する仕事に6年間従事していた。顔面の皮膚炎の原因究明のためにpatch testを施行したところ, Finn chamberの接触した部位すべてにアレルギー反応を認めた。Finn chamber, Al-test, アルミホイル, 制汗剤, アルミアレルゲンの検索の結果, Finn chamber (++), 塩化亜鉛 (+), ともに1週後湿疹化した。KI chamberは (-), アルミの純度はFinn chamber : 99, 287%, KI chamber : 99, 836%であった。Finn chamberには固溶解度をこえる鉄 (0.55%) が含まれており, Finn chamberはKI chamberに比べて金属イオンを溶出しやすいといえる。このためFinn chamberはアルミないしはその他の金属によるアレルギー反応を惹起したものと推定される。
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川島 忠興, 面高 信平, 武井 峰男, 伊藤 隆, 高瀬 吉雄
1986 年 28 巻 3 号 p.
322-327
発行日: 1986年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
アルストロメリア栽培者の半数に接触皮膚炎の自覚症状が認められている。本皮膚炎は, 貼布試験結果より, アルストロメリアに含まれているα-methylene-γ-butyrolactoneが原因であると推察された. 著者らは, モルモットを用いた感作性試験を実施し, アルストロメリアの葉からの抽出液およびα-methylene-γ-butyrolactoneに感作性を認め, 更に, ぞれらの交差感作性を確認した。
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羽田 妙子, 山縣 正治, 周 光平, 相模 成一郎
1986 年 28 巻 3 号 p.
328-333
発行日: 1986年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
30年来花屋を営んでいる55才女性。6年前より, 手指に〓痒性紅斑が出現し, 毎年夏に増悪, 冬に軽快をくり返していた。初診2ヵ月前より顔面にも同様皮疹が出現してきた。パッチテストにて菊葉で陽性反応を証明し, 菊皮膚炎と診断した。減感作の目的で菊葉約20g/dayを連日内服, 3週間を1クールとして2クール施行した。その治療経過における皮疹及び菊葉のパッチテストによる皮膚反応の変化を観察したので, それらの所見を報告した。
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渋谷 博子, 平岩 敦子, 矢島 純, 服部 怜美, 本田 光芳
1986 年 28 巻 3 号 p.
334-338
発行日: 1986年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
非ステロイド系消炎外用剤であるBufexamac外用剤による接触皮膚炎の2例を報告し, 現在までに当科で, 本外用剤による接触皮膚炎と判明した16例について検討した。主剤Bufexamacによるもの12例, 基剤ラノリンによるもの3例, 主剤Bufexamacの疑いのもの1例であった。
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宮崎 和広
1986 年 28 巻 3 号 p.
339-343
発行日: 1986年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
インテバン軟膏を左膝痛のため, 約1ヵ月外用後, 同部位に紅斑, 小水庖, 糜爛を生じ, 続いて発熱を伴なって全身に多形紅斑様紅斑が生じた1例を報告した。本軟膏の貼布試験を行ったところ, 無疹部陰性, 皮疹部陽性, 外用部強陽性であった。なお, 同軟膏基剤 (スミベース®) のみでも同様の結果が得られたが, 20%インドメタシン (ワセリン基剤) はすべての部位で陰性を示し, インテバン常用量3回内服でも紅斑は再燃しなかった。
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田中 豊道, 田中 洋一, 計盛 幸子, 大野 まさき, 赤星 吉徳, 神田 源太, 阿南 貞雄, 吉田 彦太郎
1986 年 28 巻 3 号 p.
344-347
発行日: 1986年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
46才, 男性。アトピー性素因をもつ患者がダニ (Dermatophatoides farinae: DF) 抽出液の操作中, 左眼瞼に蕁麻疹を生じた。
ダニ (D. F. ) 抽出液によるオープンパッチテストを施行したところ, 15分後, 毛孔一致性の蕁麻疹反応を認めた。
同部の生検を施行し, 病理組織学的に観察すると, 血管周囲の浮腫が著明で, 好酸球の浸潤が散見された。毛嚢周囲にも細胞浸潤を認めた。また, 抗ダニ抗体を用いた螢光抗体直接法により, ダニ抗原の経皮的侵入を裏付ける所見が得られた。
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甲原 資秀, 田中 友紀子, 中條 知孝
1986 年 28 巻 3 号 p.
348
発行日: 1986年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
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田中 章
1986 年 28 巻 3 号 p.
349
発行日: 1986年
公開日: 2010/08/25
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フリー
症例: 24才, 女性, 病棟勤務看護婦。
2才頃よりアトピー性皮膚炎があり, 最近はおもに手の亀裂, 紅斑, 落屑などいわゆる手の湿疹が目立っていた。
昭和59年8月頃より, 点滴, 注射薬の調整, 注射中に突然手掌の発赤, 掻痒, 全身の膨疹を生じていた。昭和59年10月12日, 点滴交換, 注射を行っているうちに突然手掌の発赤, 掻痒を生じ, 引き続き全身の掻痒性皮疹, 眠気, 腹痛などが出現し, 意識不明となりショック状態となった。
病歴で特に抗生剤の溶解, 注射中によく出現するとの事から, 抗生剤によるものと考え, 抗生剤の皮内テスト液により皮膚反応, P-K反応を施行した。結果はパンスポリン, ペントシリンで, 貼布試験の即時型反応, P-K反応が陽性となり, IgEの関与した接触蕁麻疹と考えた。
また, 手の皮疹は配置転換により抗生剤との接触を避けるようになって, 著明に改善してきた事より, 接触蕁麻疹の一症状であった可能性も示唆された。
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林 紀孝, 利谷 昭治
1986 年 28 巻 3 号 p.
350
発行日: 1986年
公開日: 2010/08/25
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フリー
水銀体温計破損時にみられる間接部位に好発する境界鮮明な潮紅局面は熱態と軽度の痛痒さを伴ないかなり特徴的なものであるが, その発症に間しては, 1) 室内に立ち込めた水銀蒸気の吸入により全身循環を介しての血行性接触皮膚炎, 2) 接触部位からの経皮吸入された水銀が同様のメカニズムで反応を起すことの2つがあることを自験例で示すとともに, 実験的に常温の室内に落した水銀滴によって10-20分以内に至死量ともいえるだけの金属水銀気中濃度となることも明らかにし, 1), 2) の説の妥当性を主張した。もう1つの可能性として考えられる直接性の接触皮膚炎とは臨的床に別のものと現在の知識では判断している。局所には電顕的に水銀的の局在は証明しえなかった。
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松尾 閑乃, 中山 秀夫, 佐藤 則子, 鈴木 明宏
1986 年 28 巻 3 号 p.
351-356
発行日: 1986年
公開日: 2010/08/25
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第1例: 3才男児, 予防接種薬液に保存剤として含まれるチメロサールの水銀が感作して, 全身のびまん性色素沈着を起したと考えられる症例。
第2例: 45才女性, 口口内の水銀アマルガムから水銀が溶出して, 色素沈着を生じた可能性が考えられる症例。
第3例: 26才女性, 口内のアマル才ム由来の水銀がナイロンたわしで, こするという機械的刺激を誘発因子として, 色素沈着を起した可能性の考えられる症例。
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石井 完児, 中川 昌次郎
1986 年 28 巻 3 号 p.
357-360
発行日: 1986年
公開日: 2010/08/25
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ゴム長靴を使用後, 紫斑性接触皮膚炎を生じた45歳の男性 (運転手), その臨床とゴムに含まれている物質を中心とした貼布試験成績等について報告し, これらについて若干の考察を加えた。
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安野 洋一, 宮下 文, 山田 一雄, 秋月 みわ子
1986 年 28 巻 3 号 p.
361-364
発行日: 1986年
公開日: 2010/08/25
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68歳, 女性。胃癌手術後, フトラフール, クレスチンの内服開始1週間後から顔, 頸, 前腕, 手背などの露出部に浮腫性紅斑が出現。皮疹は難治であったが, 3ヵ月後両薬剤の投与中止により, 間もなく治癒した。フトラフールの内服後, 日光照射試験により皮疹の再現がみられ, UV照射によるMEDはUV-A, UV-B共に非内服時に比べ著明に短縮した。
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細野 久美子, 石原 勝, 伊藤 正俊, 関東 裕美, 西村 誠
1986 年 28 巻 3 号 p.
365-375
発行日: 1986年
公開日: 2010/08/25
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Musk ambrette (MA) の光パッチテスト陽性の3例にmusk xylol (MX), musk ketone (MK), musk tibetene (MT), musk moskene (MM) の光パッチテストを施行し, 交差反応を検討した。
症例1は56歳男性。約10年前より裸露部に皮疹出現し次第に全身に拡大。患者が使用していた数種の頭髪用製品及びこれらに配合されていたMAの10%-0.01%が光パッチテスト陽性で, MAによるpersistent light reactorと診断。他のニトロムスク中MXの10-0.3%, MMの10-0.5%の光パッチテストが陽性。症例2は60歳女性で20年来, 症例3は61歳女性で5年来日光皮膚炎を認める。症例2はMAの10-0.1%, MKの10-1%, MTの10-1%, 症例3はMAの10-1%のみ光パッチテスト陽性。これらの2例では原因製品を推定し得なかった。
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勝村 芳雄, 田中 純子, 加藤 忍, 小林 敏明
1986 年 28 巻 3 号 p.
376
発行日: 1986年
公開日: 2010/08/25
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モルモットを用いて, 化学物質の光感作性を検討していたところ, 光感作誘発の段階で化学物質を塗布していない部位にUVA照射 (10.2J/cm
2) のみで紅斑を示す動物を認めた。これらの動物は数ケ月から1年後においてもUVA照射のみで紅斑反応を示し, UVBに対するMEDの低下を見た。
PLR発生原因追求の結果, 光感作誘導時のFCA (アジュバント) とUVA照射量が主因であり, 化学物質ベンゾカイン (局所麻酔薬) は増強因子として働いていることがわかった。この結果から, FCA 1.2ml, UVA 20.4 J/cm
2, ベンゾカイン5%エタノールの条件で光感作誘導をかければ高頻度の割合でPLR動物を作製することができた。
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多田 譲治, 池田 光徳, 福代 新治, 野原 望
1986 年 28 巻 3 号 p.
377
発行日: 1986年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
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牛乳摂取後の全身の膨疹, 掻痒, 嘔吐, 呼吸困難を主訴とした成人男性例を報告した。患者42歳, 男性。初診: 昭和59年2月6日。家族歴, 既往歴: 特記することなし。現病歴: 乳児期は混合栄養で, 10歳頃までは食餌アレルギーの症状はない。小学校3-4年頃より乳製品摂取後, 全身の膨疹, 掻痒, 嘔吐, 呼吸困難をきたすようになった。検査成績: IgE 2.9U, IgE (RAST) 牛乳0.9 PRU/ml, 皮内テスト; 牛乳 (□), チーズ (□), カンジダ (□), β-lactoglobulin (□), bovine serum albumin (□)。牛乳摂取により上記症状を誘発しえた。治療および経過: 抗ヒスタミン剤無効。トラニラスト300mg/日内服を8か月間続けるも症状・検査値に変化なし。ケトチフェン2mg/内服に変更後, 牛乳摂取にても症状の出現なし。検査では, IgE (RIST) 値とともに, IgE (RAST) 値も低下傾向を示している (昭59.12; 13.4 PRU/ml, 昭60.10. ; 2.9PRU/ml)。
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二條 貞子, 井上 隆義, 御子柴 甫, 望月 正子, 柴田 久夫, 丸山 岳人
1986 年 28 巻 3 号 p.
378-381
発行日: 1986年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
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フキのとう摂取後, 蕁麻疹, 腹痛, 呼吸困難等の症状を呈した4症例を経験した。フキのとうのエーテル抽出により皮内テストを試みた結果, 4例とも水溶性成分に即時型陽性反応を示したので, 更にアレルゲンの単難精製を進め, その物理的, 化学的諸性質を解明し得たので報告した。この物質は, 分子量15,000-20,000にて, 糖含量10%, 蛋白含量85%であり, 熱, 酸, アルカリ及び酵素に対して安定性を示した。
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田中 洋一, 田中 豊道, 計盛 幸子, 大野 まさき, 赤星 吉徳, 神田 源太, 牛島 信雄, 阿南 貞雄, 吉田 彦太郎
1986 年 28 巻 3 号 p.
382-387
発行日: 1986年
公開日: 2010/08/25
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食物アレルギーの関与が濃厚と思われたアトピー性皮膚炎患者の1例を経験した。その症例では病歴上牛乳と大豆による皮疹の増悪があり, それら3種の食物の同時除去により皮膚症状の改善がみられた。しかし経口誘発試験では卵に対してのみ陽性反応が認められた。卵白に対するIgE-RAST, IgG
4-ELISA, Scratch testはいずれも強陽性, 牛乳に対しては前2者が強陽性, 大豆にはIgE-EASTとScratch testが強陽性, IgG
4-ELISAは弱陽性であった。
これらの抗原証明法の本症における食物抗原検索に対する有用性について比較検討を試みた。
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青木 敏之, 小嶋 益子, 堀古 民生, 船井 龍彦, 中村 義朗, 笹川 和信
1986 年 28 巻 3 号 p.
388-391
発行日: 1986年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
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皮内テストで鶏卵、牛乳、小麦、枝豆などに陽性で、RAST値が、全卵3.5、牛乳3.0、小麦2.0、大豆2.0の重症アトピー性皮膚炎患児について、血清を用いての母親の皮膚における普通の (抗原注射による) P-K試験と (抗原注射のかわりに) 経口摂取によるP-K試験をおこなった。注射によるP-K試験の閾値は、全卵、牛乳、小麦にたいして、血清希釈率でそれぞれ2
11、2
5、2
3で、枝豆にたいしては陰性であった。経口摂取によるP-K試験の閾値は生卵1個、ゆで卵2個にしたいて、それぞれ2
8、2
2であったが、牛乳200cc、うどん1玉にたいしては陰性であった。経口摂取によるP-K試験では、抗原が直接腸管を経て皮膚に到達して反応をおこしているので、注射によるP-K試験にくらべて、実際の食餌アレルギーに近い現象を観察していると考えられ、食餌アレルギーの程度を知るのに適した方法と言えよう。
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佐伯 紀孝, 山本 恵理子, 宮野 径彰, 権東 明, 徳田 安章
1986 年 28 巻 3 号 p.
392
発行日: 1986年
公開日: 2010/08/25
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乳幼児アトピー性皮膚炎と成人型アトピー性皮膚患者の血清中総IgG4量および抗原特異IgG4量について検討した。卵誘発試験陽性の乳幼児は卵白アルプミン特異IgE高値、特異IgG4低値であり、卵誘発性試験陰性の成人は特異IgE低値、特異IgG4高値であった。また、特異的減感作療法郡は非減感作郡よりIgG4高値であった。これらの関係は実際、in vivoにおける検索においても卵アレルギーを有する患者を使った皮内テストにおいて、卵白アルプミン特異IgG4高値血清 (特異IgE低値) に著明な反応の抑制を認めた。
以上の結果よりIgG4はblocking antibodyとしての作用が示唆された。
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奥野 冨起子, 植田 初江, 須貝 哲郎
1986 年 28 巻 3 号 p.
393-399
発行日: 1986年
公開日: 2010/08/25
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シオゾールは副作用の多い薬として知られているが、その発生機序にはアレルギーによるものと蓄積障害によるものがあり、多くは蓄積障害によるものであろうと考えられている。シオゾールによる薬疹2例を報告し、その原因として比較的排泄の早いprotein-freeのシオゾールが関係しているのではないかと考え考察した。またX-ray microanalysisにより、無顆粒細胞症を伴った1例の皮疹部に有意の金を検出し、その位置より貪食細胞その他とりこまれず、組織液に浮遊している状態と考えられ、加えて皮疹の原因になりうる金ではないかと考えた。他の1例は全身性湿疹状接触型皮膚炎であった。
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小松 平, 稲谷 真, 池澤 善郎
1986 年 28 巻 3 号 p.
400-404
発行日: 1986年
公開日: 2010/08/25
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56歳、女性。昭和56年、慢性関節リウマチの治療のためD-ペニシラミン内服を始めたところ、半年後に水疱が全身に出現。同薬剤中止によりいったん軽快するも59年1月再び悪化、某院皮膚科にてdermatitis herpetiformis Duhringと診断された。60年1月当科受診時、皮疹は類天疱瘡様であったが、病理組織は尋常性天疱瘡に一致、螢光直接法で表皮細胞間にIgG沈着、但し間接法は陰性。入院後プレドニゾロン60mg/日から開始し現在は15mg/日で寛解。
現在までD-ペニシラミンに誘発されたと思われる天疱瘡様皮膚病変についての報告は本邦で12例を数えるが、これらの臨床、組織経過などをまとめ、若干の考察を行った。
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宮川 加奈太, 池澤 善郎
1986 年 28 巻 3 号 p.
405-411
発行日: 1986年
公開日: 2010/08/25
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最近、β-blockerによる薬疹を4例経験した。これらの症例は、プロプラノロールによる乾癬型薬疹1例、ピンドロールによる乾癬様皮疹1例、ピンドロールによる乾癬様皮疹で発症した苔癬型薬疹1例、カルテオロールおよびメチルドーパ内服中に生じた乾癬様皮疹を混ずる苔癬型薬疹1例、およびニプラジロールによる典型的苔癬型薬疹1例である。全て内服中止により軽快した。報織所見は、苔癬様組織反応が3例、苔癬様組織反応と湿疹様組織反応の混在したものが1例であった。前例に抗格抗体陽性。3例に内服試験を施行し、全て陽性であった。β-blockerによる薬疹は欧米ではよく知られているが、本邦では、極めてまれであると思われるので若干の文献的考察を加えて、ここに報告する。
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杉本 憲治, 市川 澄子, 小西 清隆, 清水 正之
1986 年 28 巻 3 号 p.
412-415
発行日: 1986年
公開日: 2010/08/25
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71歳女、既往歴に掌蹠膿疱症がある。高血圧のため塩酸ジルチアゼム (ヘルベッサー) を内服していただ、約1週間後全身に膿疱を伴う浮腫性紅斑が出現した。組織学的にはKogoj海綿状膿疱を伴う角層下膿疱であった。同薬剤によるリンパ球幼若化試験は陰性であったが、貼布試験および内服誘発試験では陰性を呈し、さらにskin window testでは多数の多核白血球の遊走が見られ、被験部皮膚に明らかな膿疱形成が認められた。
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益田 俊樹, 畠中 謙一, 荒田 次郎
1986 年 28 巻 3 号 p.
416-419
発行日: 1986年
公開日: 2010/08/25
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市販の風邪薬を内服して発症し、45日後に略治した18才、女性のtoxic epidermal necrolysis例を報告した。風邪薬の成分のうち本症の原因として頻度の高いアスピリンが原因である可能性が高いと考え、貼布試験、リンパ球幼若化試験を行い、皮膚培養による病変の作成を試みたが陰性であった。内服誘発試験はさしひかえたが、風邪薬中の他の成分の内服試験は陰性であり、アスピリンにより生じたものと推測した。
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浜中 すみ子, 山本 俊比古, 麻上 千鳥
1986 年 28 巻 3 号 p.
420-424
発行日: 1986年
公開日: 2010/08/25
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アスピリンおよびメフェナム酸の内服によって生じた皮疹ならびに喘息アレルギー機序によると考えられたので報告した。
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北村 和子, 蕎谷 収, 池澤 善郎
1986 年 28 巻 3 号 p.
425-428
発行日: 1986年
公開日: 2010/08/25
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59歳, 女性。腰痛のためにスリンダクを毎日200mg服用していた。内服開始10日後より, 頚部に〓痒性皮疹が生じ, 漸次, 顔面の著明な浮腫, 嗄声, 頚部圧迫感, 躯幹および四肢に多形紅斑型の皮疹, 口腔粘膜, 外陰部に発赤が出現し, 乏尿となった。内服テストにより〓痒性皮疹が発生しスリンダクが原因薬剤であることを確認した。浮腫は皮疹誘発量では発生しなかったが, 内服中止, 薬疹軽快後は, 浮腫は再発していない。スリンダクは腎プロスタグランジン合成抑制は少ないと考えられているが, 本症例は皮疹と共に浮腫および乏尿を併発したことを報告した。
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東 禹彦
1986 年 28 巻 3 号 p.
429-434
発行日: 1986年
公開日: 2010/08/25
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当科で最近5年間に経験した消炎鎮痛解熱剤による薬疹の14例を報告した。皮疹の型は播種性紅斑が5例, 多型紅斑が4例, 蕁麻疹が2例, 固定疹が2例, Subsepsis allergica 様1例であった。原因薬剤はフェンブフェン4件, メフェナム酸3件, アンチピリン2件, イブプロフェン, インドメタシン, プラノプロフェン, 塩酸チアラミド, サリドン, セデスG, スルピリン, アスピリン各1件であった。これら原因薬剤の決定は全て内服誘発試験で行った。それに関連して内服誘発試験を実施する上で留意すべき事項についても簡単に述べた。
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