最近当科で経験した10例のgraft versus host disease (GVHD) における組織に対して, モノクローナル抗体Leu1, Leu2a, Leu3a, Leu4, Leu7, HLA-DRを用い, リンパ球サブセット及びIa抗原陽性細胞について検索した。その結果, 次の所見を得た.
1).真皮内には, Leu2a陽性細胞がLeu 3a陽性細胞と同程度以上に認められた.
2). Leu7陽性細胞は, 少数例で僅かに認められたが, ほとんどの症例では全く認められなかった.
3). 表皮内には, HLA-DR陽性ケラチノサイトがほぼ全例に認められたが, HLA-DR陽性樹枝状細胞は認められなかった.
自験10例より得た所見と従来報告されているGVHDに関する成績とを合わせ, 本症の発症についての免疫学的機序を考察した.
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