新しいマクロライド系抗生物質, roxithromycin (RXM) の皮膚組織への移行性と臨床的有効性を検討した。RXM (ルリッド
®) 150mgを12時間おきに6回連続投与し, 最終投与から2時間後に採取した皮膚組織および血液中のRXM濃度を測定した。その結果は, それぞれ, 1.26±0.69μg/g, 6.54±1.77μg/ml (血清) であり, 十分な皮膚組織移行性が示された。また, 毛嚢炎;8例, せつ; 5例, 感染性粉瘤; 4例を含めた膿皮症に対する臨床試験では, 著明改善;14例, 改善;7例, やや改善;5例, 不変;1例との成績を得, 改善率は78%と計算された。副作用は全例において観察されなかった。なお, これらの症例から分離された
Staphylococcus aureus (8株) に対するRXMのMICはその87.5が1.56μg/ml以下であり, OFLXのそれとほぼ同様の分布を示した。以上の結果から, RXMは皮膚科領域感染症に十分な臨床効果が期待されると結論した。
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