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畑 清一郎
1995 年 37 巻 1 号 p.
1-2
発行日: 1995年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
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足立 準, 遠藤 薫, 吹角 隆之, 小嶋 益子, 青木 敏之
1995 年 37 巻 1 号 p.
3-4
発行日: 1995年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
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本間 眞
1995 年 37 巻 1 号 p.
5-6
発行日: 1995年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
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本間 眞
1995 年 37 巻 1 号 p.
7-8
発行日: 1995年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
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山田 聖佳, 三家 薫, 堀尾 武
1995 年 37 巻 1 号 p.
9-16
発行日: 1995年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
35歳女性。ギンナンをむいて接触部に湿疹性の皮疹が出現した。約10日後, 多形紅斑様皮疹がその他の部位に出現して拡大し, ひき続いて好酸球の上昇も認められた。パッチテスト・オープンテストの結果, ギンナン果肉で陽性を示した。
以上のことより, ギンナンによる接触皮膚炎にひき続き, 接触部位からのアレルゲンの吸収によって遠隔部位に多形紅斑様皮疹が出現したものと考えた。すなわち, 同一抗原が感作経路の違いにより異なった皮疹を生じる可能性がある。
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原田 晋, 今泉 基佐子
1995 年 37 巻 1 号 p.
17-22
発行日: 1995年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
29歳, 男性。18歳時よりアトピー性皮膚炎の診断の下, 他院で加療を受けていた。平成6年5月上旬より皮疹の増悪傾向を認めたため, 5月6日同医院を再診しPSL15mg/日の追加処方を受けたところ, 突然皮疹のさらなる著明な増悪をきたしてきたため, 5月9日当科外来初診。初診時, 額部では膿疱が多発し, 頬部から顎部ではびらん面と厚い痂皮形成を, 頸部から前胸部には小水疱と紅色丘疹の集簇を認めた。アトピー性皮膚炎に痂皮性膿痂疹とカポジ水痘様発疹症が合併したと診断し, AciclovirとPIPCの併用で皮疹は軽快。自験例ではPSL内服が膿痂疹およびカポジの発症を誘発した可能性も疑われ, ステロイド内服使用の難しさを痛感した。
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黒川 一郎, 魚井 美由紀
1995 年 37 巻 1 号 p.
23-27
発行日: 1995年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
インターフェロン (IFN)-α-2bによる扁平苔癬型薬疹の1例を報告した。患者は59歳, 女性。C型慢性肝炎にてIFN-α-2bの投与を受けていたところ, その3カ月後に口唇に有痛性びらん, 歯肉にアフタが出現, 休薬にて皮疹は軽快したが, IFNの再投与により, 皮疹が再燃した。病理組織学的所見では真皮浅層に基底膜に沿って帯状の単核球の浸潤, 毛細血管の拡張, 基底層の液状変性, 組織学的色素失調をみとめた。IFNによる扁平苔癬型薬疹はきわめて稀であるが, 慢性肝炎の治療としてIFNが頻用される今日, 今後十分に注意する必要があると考えられる。
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杉原 昭, 細川 宏, 尾高 達雄, 堀尾 武, 朝田 康夫
1995 年 37 巻 1 号 p.
28-32
発行日: 1995年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
41歳, 男性に認められたグリセオフルビンによる多形紅斑型薬疹の1例を報告した。自験例では薬疹およびグリセオフルビンによる誘発疹の多くが光線過敏症と思われる既存の皮疹に一致して出現した。この出現パターンが自験例の特徴であり, Photo-recall様現象ないしKöbner現象と考えた。
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秋友 保千代, 細川 宏, 堀尾 武, Yukihisa UMEDA
1995 年 37 巻 1 号 p.
33-38
発行日: 1995年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
症例は34歳女性。平成3年に全身性エリテマトーデス (SLE) と診断され, ステロイド剤を内服投与されていた。その経過中, SLE症状の増悪とともに, 筋痛, 筋力低下, へりオトロープ疹が急性に出現し, 平成5年3月22日当科へ入院し, SLEと皮膚筋炎の各診断基準を完全に満たすoverlap症候群と診断した。また, 腎生検でループス腎炎を合併していた。ステロイド剤内服投与により症状は軽快し, 現在はコントロール良好である。さらに甲状腺腫大を認め, 精査の結果原発性甲状腺機能低下症を合併していたが, その原因は確定しておらず, overlap症候群との合併の意義も不明である。
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佐野 栄紀, 久米 昭廣, 東 禹彦
1995 年 37 巻 1 号 p.
39-44
発行日: 1995年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
49歳, 女性。5カ月前からレイノー現象, 2カ月前から手指硬化, 手背および前腕皮膚に浮腫性硬化が出現した。またこの頃より筋痛, 筋力低下を認めるようになった。数日前から顔面, 上肢に紅斑が出現してきたため当科受診。筋原酵素値の上昇, 抗RNP抗体陽性などにより, 混合性結合織病 (MCTD) と診断し, betamethasone (リンデロン (R)) 2mg/日投与するも症状の軽快がみられなかったためサイクロスポリンA (CYA) 5mg/kg/日投与開始した。やがてbetamethasoneを漸減中止するも, 皮膚症状, 筋症状ともに著明に改善し, 筋原酵素値も正常化した。自験例のように, 副腎皮質ステロイド剤に反応性が比較的低いMCTDにおいては, さらに多量のステロイド剤にとって変わる治療法として, CYAは単独でも十分寛解維持効果を期待できる薬剤と思われたため報告した。
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重篤な呼吸器症状を合併し, 死亡した1例
鶴田 大輔, 持田 和伸, 染田 幸子, 濱田 稔夫, 大塚 敏広, 田中 繁宏, 工藤 新三
1995 年 37 巻 1 号 p.
45-51
発行日: 1995年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
79歳, 男性の重篤な呼吸器症状をともなった, Hyperoesinophilic syndromeの1例を報告した。末梢血では, 持続する好酸球の増加を認めた。皮疹は顔面を除き, 浸潤を触れる紅斑性局面が多数存在し, 紅皮症の状態であった。病理組織学的には混合型の多形紅斑であり, 成熟好酸球主体の細胞浸潤を呈する部分も存在した。間質性肺炎, 全身状態の増悪のため頻回のステロイドパルス療法およびシクロホスファミドの投与を行ったが, 初診3カ月後に多臓器不全にて死亡した。本症と, その他の好酸球増多を来す疾患との異同を論じ, その治療法について考察した。
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八木 英一, 霜田 春男
1995 年 37 巻 1 号 p.
52-58
発行日: 1995年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
80歳, 女性。子宮頸癌IIIbの放射線治療開始1ヵ月後より体幹・四肢に掻痒を伴う紅斑と水疱が多発した。病理組織学的および免疫組織化学的に水疱性類天疱瘡と診断した。子宮頸癌は完治し, 皮疹はステロイド内服により減少した。過去1年半に他に水疱性類天疱瘡の4例を経験し, 腎細胞癌, 糖尿病, 慢性関節リウマチの合併を認めた。腎細胞癌の合併報告は本邦初と考えられた。糖尿病例では血糖の正常化に伴い皮疹の減少を認めた。4例はプレドニゾロンを2.5~7.5mg/dayまで減量し, 柴苓湯9g/dayとの併用で維持できた。1例は重症の細菌性肺炎を併発し死亡した。
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宮島 進, 松岡 縁, 松下 哲也, 岡田 奈津子
1995 年 37 巻 1 号 p.
59-62
発行日: 1995年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
症例は55歳, 女性。鬱病にて当院精神科入院中に仙骨部, 右股関節部に小潰瘍が出現。2カ月後より右股関節部に発赤, 腫脹, 排膿を認めた。血液検査では末梢血液像, 生化学所見とも異常なし。CRPは8.8mg/d
lと上昇していた。同部位に対し, fistulographyおよびCT撮影を施行したところ, 大腿骨周囲や大殿筋付着部に達する深い瘻孔形成をみとめた。瘻孔の切除, 廓清術を施行し現在まで再発をみていない.本症例は表面上は小潰瘍の形成にもかかわらず, 深部への広範囲な痩孔を短期間で形成したことから, 今後, 褥瘡のcareにあたり, 十分注意すべき症例と思われた。
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南 好美, 松中 成浩, 上出 康二, 廣井 健治, 山本 康弘
1995 年 37 巻 1 号 p.
63-67
発行日: 1995年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
ミベリ汗孔角化症で汎発性, 日光露出部, 線状に分布するなどの皮疹を認めることがある。Mehreganらは197例中顔面のみの本症を7例見出だし, 多発例は3例であったと報告した。我々は陰茎のみに多発した62歳男性例を経験したので報告する。家族内に同症なし。4年前から陰茎に激しい痛痒を伴う半米粒大から半爪甲大の環状褐色局面を認め受診。当初生検では診断が未定のまま, ステロイド外用, 局注, ブレオマイシン外用にても無効のため, 再度生検しcornoid lamellaを認め, 本例を限局型のミベリ汗孔角化症と診断。サイトケラチンAE1, AE3による免疫組織学的検索施行。
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八代 典子, 鶴田 大輔, 染田 幸子, 濱田 稔夫
1995 年 37 巻 1 号 p.
68-72
発行日: 1995年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
45歳, 男性。長時間の戸外労働の後, 顔面を初発として露光部に, 痛痒を伴う皮疹が出現し次第に拡大してきた。発熱とともに皮疹の急激な増悪を認め, 入院時現症では, 初診時の皮疹は痂皮化していたが, その部を除いたほぼ全身に粟粒大から米粒大の膿疱を伴う角化性紅斑が散在, 融合し, 一部では痂皮を付着していた。また, 口腔病変として地図状舌が認められた。膿疱を含む紅斑の病理組織像にて表皮突起の延長, Kogojの海綿状膿疱, 真皮乳頭の毛細血管の拡張, および血管周囲のリンパ球浸潤を認めた。汎発性膿疱性乾癬の診断にてエトレチネート40mg内服を開始し, 治療開始後ほぼ2週間にて軽快した。
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鶴田 大輔, 谷口 彰治, 依藤 時子, 忽那 晴央, 河平 多宏, 幸野 健, 濱田 稔夫
1995 年 37 巻 1 号 p.
73-80
発行日: 1995年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
48歳, 男性に生じた, 強直性脊椎炎型関節症性乾癬の1例を報告した。顔面を除くほぼ全身のびまん性の皮膚潮紅および境界明瞭な浸潤性紅斑性局面, 手掌・足底の著明な角質肥厚, 全指趾の爪の白濁・肥厚, 両手指および脊椎の関節痛と運動障害が認められた。骨X線,
99mTcシンチグラムにて両手指の変形性関節炎所見と仙腸関節炎所見, 腰椎のBamboo-spine所見が認められた。皮疹に対してはエトレチナート内服, UVB療法, 関節症状に対してはロキソプロフェンナトリウムの内服を施行した。関節症性乾癬とHLA typingとの相関が過去に多数報告されているが, 自験例においても過去の報告と同様にHLA typingとの相関が強く示唆された。
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小山 晶子, 松中 成浩, 西川 智子, 桐 都志夫
1995 年 37 巻 1 号 p.
81-85
発行日: 1995年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
49歳女。右頬部の結節型悪性黒色腫患者で10数年前両上下の臼歯を金属義歯に治療した頃から存在した下口唇右側の暗紫色venouslake様色素斑を切除。同組織の割面では真皮中層から下層底まで境界明瞭な中心濃紫色, 周辺へ淡色化する異物沈着を認める。HE標本で真皮中層以下に組織球や線維芽細胞, 異物巨細胞に細-粗顆粒が存在し, 血管内皮細胞や周皮細胞の外側弾力線維, 神経線維の外周などが褐色線状となり, 細顆粒状の異物沈着を認める。切除組織割面のX線マイクロアナライザ-では異物中にAg, S, Cu, Al, P, Siなどを検出, Hgは認めない。なお本患者にはネックレスやイヤリングに接触皮膚炎の既往があり, 金属の貼付試験でNi, CoにICDRG基準で陽性であった。
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林 瑞世, 木崎 二郎, 吉永 花子, 早川 實
1995 年 37 巻 1 号 p.
86-100
発行日: 1995年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
症例1:36歳, 男性。丹毒を溶連菌の侵入門戸とした猩紅熱。症例2:17歳, 女性。アトピ-性皮膚炎に合併した膿痂疹を原因とする創傷猩紅熱。症例3:49歳, 女性。CEX内服により速やかに改善した結節性紅斑。計3例を報告した。主として, 症例1に関しては丹毒と猩紅熱の関係, また, 全身の間擦部により強く小紅斑, 点状紫斑の融合よりなる皮疹をみたためBaboon症候群 (水銀疹) との鑑別について述べ, 症例2に関しては鼻部蒼白がみられたこと, 創傷猩紅熱について述べた。つけ加えて, 溶連菌関連抗体 (M蛋白抗体, T蛋白抗体, ASP, ASO, ASK) についても触れた。
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佐野 栄紀, 久米 昭廣, 東 禹彦
1995 年 37 巻 1 号 p.
101-105
発行日: 1995年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
47歳, 男性。初診の1カ月前より外陰部, 顔面, 頭部に丘疹が出現, やがて皮膚の黄染, 全身倦怠感を訴えて当科受診。検査でGOT, GPT, ビリルビン値などの著明な上昇および梅毒血清反応 (緒方法, TPHA) の強陽性を認める。アモキシリンを投与したところ2週間の経過ですべての皮疹が消退するとともに肝機能も正常化した。以上より, 自験例を早期梅毒性肝炎と診断した。
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兼藤 紀美子, 中川 浩一, 濱田 稔夫
1995 年 37 巻 1 号 p.
106-110
発行日: 1995年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
20歳, 女性。約15年前から, ネフローゼ症候群にてステロイド剤による加療を受けており, 現在も腹膜透析中である。初診の約2カ月前, 外陰部に黒褐色の皮疹が出現し, 次第に拡大してきた。初診時, 外陰部から肛囲にかけて, 米粒大の黒褐色扁平丘疹が散在, 一部集簇して, 認められた。組織学的所見では, 軽度の角質増生と表皮肥厚を認め, 細胞配列の乱れが観察された。腫瘍細胞は大型の空胞様細胞で, 個細胞角化が散見された。以上の所見より, Bowenoid papulosisと診断した。免疫能の低下と本疾患との関係, および治療法について, 若干の文献的考察を加えて報告した。
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後藤 靖, 中川 浩一, 濱田 稔夫
1995 年 37 巻 1 号 p.
111-115
発行日: 1995年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
患者: 24歳, 男性, von Recklinghausen病。1歳時よりcafé-au-lait spotが存在。14歳時にてんかんが出現。16歳頃には全身に神経線維腫が出現したが, 放置していた。初診の2カ月前より脊柱左側に痔痛を伴う皮下腫瘤が出現し急速に増大したため当科受診。肺転移, 骨転移を認め, 単純摘出術7カ月後に不幸な転帰をとった。組織学的に悪性神経鞘腫であった。免疫組織化学的に, S-100蛋白はごく一部の腫瘍細胞で陽性, NSE, MBPおよびビメンチンはほぼすべての腫瘍細胞で陽性であった。
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中川 浩一, 前川 直輝, 濱田 稔夫, 古川 雅祥
1995 年 37 巻 1 号 p.
116-126
発行日: 1995年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
単純性血管腫およびいくつかの血管性病変に対する色素パルスレーザー装置の治療効果, 色彩色差計による各種計測結果を報告した。色素パルスレーザーの有効率は, 単純性血管腫: 67%(27例), 苺状血管腫: 100%(2例), 被角血管腫: 100%(2例), 種々の原因による血管拡張症: 100%(7例) であり, 特に血管拡張症における有効性が評価された。一方, 単純性血管腫の色調を6症例において検討した結果, 全例で, L*C*h表色系における色相角度 (h) が血管腫近傍の正常皮膚の色相角度 (h) よりも顕著に小さかった。また, 13歳, 女性の前額部に生じた単純性血管腫において, 色素パルスレーザー照射の有効性を数値として確認した。以上の結果をふまえて, 単純性血管腫の治療上における, 色彩色差計の応用と展望に言及した。
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須貝 哲郎, 加藤 順子, 桑野 敦子, 流田 妙子, 東 禹彦
1995 年 37 巻 1 号 p.
127-135
発行日: 1995年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
グリセリンおよびクロタミトンを各10%含有するO/W型クリーム (AG-1クリーム) の小児乾燥性皮膚症に対する有効性および安全性を一般臨床試験により検討した。最終全般的改善率は77.5%(31/40例), 副作用発現率は4.7%(2/43例), 有効性と安全性を考慮した有用以上の有用率は73.8%(31/42例) であった。
以上から, AG-1クリームは小児乾燥性皮膚症に対し, 有用な外用剤であることが確認された。
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「ビーンスタークシリーズ (BS-1210); 全身シャンプー・オイル・薬用クリーム」 の安全性と有用性の検討
BS-1210研究会
1995 年 37 巻 1 号 p.
136-152
発行日: 1995年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
黄色ブドウ球菌属等に対する抗菌作用を有するβ-ツヤプリシン (ヒノキチオール) 配合乳幼児用スキンケア製品 (BS-1210: 全身シャンプー, オイル, 薬用クリーム) の有用性と安全性を検討した。対象はアトピー性皮膚炎14例, 小児乾燥型湿疹13例, おむつかぶれ14例, 乳児脂漏性湿疹5例, その他1例であった。上記製品を通常の方法で4週間使用させた。症状の最終改善度評価では, やや改善以上が47例中42例 (89%) を占めた。副作用を示す例は無く, BS-1210は対象47例中42例 (89%) でやや有用以上の評価を得た。以上よりBS-1210は安全性に優れ, 乳幼児の日常のスキンケアや乳幼児皮膚疾患患者の治療補助製剤として応用できる製剤であると結論した。
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上田 正登, 高島 務, 市橋 正光, 山肩 正和, 阪田 昭, 正木 弘實, 鳴瀬 一弘, 清水 良輔, 中村 敦子, 中村 立一, 谷 ...
1995 年 37 巻 1 号 p.
153-163
発行日: 1995年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
エイコサペンタエン酸 (EPA), ドコサヘキサエン酸 (DHA) やα-リノレン酸などn-3系多価不飽和脂肪酸を含む食品イパオールをアトピー性皮膚炎症例の食事に上乗せ投与し皮膚炎に対する効果を32例について検討した。投与量は体重10kg当り1日1包とし, 投与期間は2カ月間とした。その結果, 血液脂肪酸中のEPA及びEPA/AA (アラキドン酸) 比は著明に上昇し, 皮膚症状ではそう痒, 紅斑などに改善が見られた。n-3系多価不飽和脂肪酸の強化療法は種々のアトピー性皮膚炎の治療法と拮抗するものではなく, 併用可能な方法でありアトピー性皮膚炎の補助療法として有効である事を確認した。
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抗ウイルス注射製剤併用療法との比較
アラセナA軟膏大阪研究会
1995 年 37 巻 1 号 p.
164-179
発行日: 1995年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
アラセナーA®軟膏で帯状疱疹・単純疱疹を対象に単独並びに抗ウイルス注射製剤との併用の有効性・有用性を13施設のオープン試験で検討した。実施71中解析対象60例が効果判定の, 70例が安全性の解析対象となり, 1) 皮膚所見の水疱発生前の紅斑・水疱は有意に高い改善度を示し, 帯状疱疹では併用群の方が症状の消失率で有意に優れ, 2) 有効率は帯状疱疹で有効以上が91.7%(44/48), 単純疱疹で100%(12/12) であり, 3) 副作用発現は2.8%(2/70) と低く, 内容も特別なものはなく, 4) 有用率は帯状疱疹で有用以上が93.8%(45/48), 単純疱疹で100%(12/12) であった。以上より, アラセナーA ® 軟膏は帯状疱疹・単純疱疹に有用性の高い優れた外用剤と考える。
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池澤 善郎, 大沢 純子, 北村 和子
1995 年 37 巻 1 号 p.
180-192
発行日: 1995年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
軽度から重症のアトピー性皮膚炎患者31名に対し, 油性成分・保湿成分・及びグリチルリチン酸ジカリウム及びコメ胚芽油を含有する「アトスキン入浴剤
®」を1カ月間使用してもらい, その有用性を検討した。全般改善度では, 77.4%の症例に改善が見られ, 有用度でも, やや有用以上が77.4%という良い結果であった。また, 患者自身のアンケート調査の結果, 軽度の患者においては12例中9例 (75%), 中等度以上の患者では14例中9例 (64.2%) に乾燥症状の改善効果が認められた。さらに, 軽度のアトピー性皮膚炎患者22名及び健常人12名に対し, 入浴後の角質水分量の経時測定を行った結果, アトピー性皮膚炎患者において,「アトスキン入浴剤
®」はさら湯と比べて吸収水分保持能が高い傾向を認めた。健常人においても, 吸収水分保持能が有意 (p<0.05) に高い結果であった。以上より,「アトスキン入浴剤
®」は健常人から軽度のアトピー性皮膚炎患者に対し, 有用性の高い優れた入浴剤であると考えられる。
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黒川 一郎, 西嶋 攝子, 朝田 康夫, 杉山 徹, 尾高 達雄, 中村 元信, 近藤 摂子, 河村 甚郎
1995 年 37 巻 1 号 p.
193-200
発行日: 1995年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
伝染性膿痂疹, 蜂窩織炎, 節腫症, 節などの小児皮膚細菌感染症100例に対しCefpodoxime Proxetil (CPDX-PR) ドライシロップを投与し、その有効性, 安全性, 服薬性について検討を行った。有効以上の有効率は98.0%ときわめて良い有効性が得られ, 副作用についてはみとめられなかった。服薬性については“指示通り飲めた”が99.0%で非常に高い服薬性を示した。
以上の結果より, CPDX-PR (バナン
®) ドライシロップは小児皮膚細菌感染症に対してきわめて有効かつ安全な内服療法であると考えられた。
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