皮膚
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37 巻, 3 号
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
  • 後藤 一史, 近藤 慈夫
    1995 年 37 巻 3 号 p. 317-318
    発行日: 1995年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
  • 岡田 奈津子, 松岡 縁, 宮島 進
    1995 年 37 巻 3 号 p. 319-320
    発行日: 1995年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
  • 山本 可菜子, 岡本 英里子, 夏秋 優, 猪原 愼一, 喜多野 征夫, 川中 正雄, 浦出 雅裕, 吉岡 済
    1995 年 37 巻 3 号 p. 328-334
    発行日: 1995年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    41歳, 女性。約5カ月前より, 口腔内にびらんが生じ, 同時に鼡径部に赤色皮疹を認め, 徐々に潰瘍を形成してきた。初診時, 口腔内にびらん, 潰瘍を認め, 腋窩, 濟部, 鼡径部に膿疱を認めた。鼡径部では潰瘍を形成していた。眼球結膜は充血し, 眼科にて上強膜炎の診断を受けた。組織学的に表皮肥厚, 基底層直上に好酸球性膿瘍を形成, 膿瘍内に棘融解細胞を認めた。蛍光抗体直接法では, 表皮細胞間にIgG, C3の沈着を認めた。増殖性天疱瘡と診断し, プレドニゾロン45mg/dayの内服投与を開始した。皮疹は軽快傾向を示したが, プレドニゾロンを35mg/dayに減量したところ再燃を認めたため, シクロスポリン4mg/kg/dayの併用を開始した。シクロスポリン投与2週間で皮疹は軽快した。
  • 後藤 一史, 近藤 慈夫
    1995 年 37 巻 3 号 p. 335-340
    発行日: 1995年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    52歳, 男性の回帰性リウマチの1例を報告した。初診時左膝蓋部に紅斑を伴った関節痛を認めた。発作時の臨床検査成績では白血球増加, 赤沈の亢進, CRP陽性, CH50高値, 高IgG血症を認めた。組織学的には真皮では血管周囲性のリンパ球浸潤を, 皮下脂肪層では比較的血管周囲性に少数のリンパ球と好中球の浸潤を認めた。本症例は約15年前より関節炎を繰り返し, 様々の医療機関を受診したが診断がつかなかった。回帰性リウマチは主に整形外科領域の疾患であるが, 本症では皮疹を伴うため皮膚科医を訪れることもあり, われわれ皮膚科医も念頭に置くべき疾患とおもわれる。
  • 湯浅 徹也, 朝日 国比古, 高橋 真智子, 橋本 健治, 谷口 芳記, 清水 正之
    1995 年 37 巻 3 号 p. 341-345
    発行日: 1995年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    35%水酸化ナトリウムにより, 顔面, 頚部, 四肢, 躯幹を受傷した19歳, 女性例を報告した。流水洗浄, 生食洗浄後, 保存的に経過をみたところ, 洗浄の遅れた胸腹部のみに瘢痕を残し治癒した。アルカリによる化学熱傷は受傷直後の洗浄が, 予後を決定する重要な因子と考えられた。
  • 藤尾 往子, 山田 徹太郎
    1995 年 37 巻 3 号 p. 346-350
    発行日: 1995年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    再生不良性貧血でステロイド療法中の68歳男性に発症した皮膚アスペルギルス症の1例を報告した。
    左前腕部に, 中央に潰瘍を伴う浸潤性紅斑が出現した。皮疹の全切除を行なった結果, 組織上, 真皮深層まで下方にY字状に分枝する菌糸を認めた。切除組織の真菌培養の結果, Aspergillus fumigatusと同定した。他の臓器には病巣はみられず, 原発性皮膚アスペルギルス症と診断した。
    本症例は下腿にSerratia marcescensによる壊死性筋膜炎を合併していた。両疾患とも日和見感染症として発症したと思われた。本症は宿主側の免疫状態と菌側の要素との関係により病勢が変化するものと思われる。病型分類の意義について言及した。
  • 秋岡 嘉美, 上出 康二, 松中 成浩, 瀬川 陽一
    1995 年 37 巻 3 号 p. 351-355
    発行日: 1995年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    25歳, 女性。生下時より体幹から臀部, 右大腿にかけての獣皮様母斑と全身に大小様々の色素性母斑がみられ, 小児期には腰背部の皮膚が敷石状に膨隆してきた。当科受診時には右背部から右臀部にかけて弾性軟の腫瘤がるいるいと存在し, 多くは下垂し, 腰痛を訴えた。右臀部の腫瘤は小児頭大となり, 皮下硬結もみられた。これらの下垂性腫瘤を切除し, 腰痛は消褪。患者は18歳時に癲癇の大発作があり, 脳波異常もみられたため, 抗痙攣剤を服用中。また精神発達遅滞 (IQ: 60~70) もある。本例を, 1989年にAraoらが提唱したProliferating giant pigmented nevnsの1例として報告する。
  • 山脇 光夫, 二村 省三, 堀尾 武, 赤木 繁夫
    1995 年 37 巻 3 号 p. 356-362
    発行日: 1995年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    11歳, 女児。幼少時より手掌, 足縁に自覚症状のない皮下結節を認めていたが, 4歳時より左肘の変形, 10歳時より歩行障害, 右上肢の不全麻痺も出現してきたため, 本院整形外科に入院した。皮膚生検で皮下結節は海綿状血管腫, X-P撮影にて四肢の変形は軟骨形成不全と判明し, Maffucci症候群と診断された。歩行障害と不全麻痺は頸部MRIで脊髄腫瘍によるものと診断され, 腫瘍摘出術が行われた。腫瘍は血管腫と診断されたが, 大量の出血のため全摘には至らなかった。
    現在までのところ, 悪性腫瘍の合併は見られていないが, 十分な経過観察が必要と思われる。
  • 西村 久美子, 岩原 邦夫, 小川 秀興
    1995 年 37 巻 3 号 p. 363-366
    発行日: 1995年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    20歳, 男性。左眉間部の橙赤色結節を主訴に来院。生検時病理組織所見ではReticnlohistiocytic granuloma (以下RG) であったが, その1カ月後の全切除組織所見は成人型Xanthogranuloma (以下XG) であった。そこでこの2疾患を比較検討した結果, 臨床的, 組織学的所見に若干の相異点があるにもかかわらず, 本質的な違いがなく同-スペクトル上の疾患と考えた。
  • 忽那 晴央, 古川 雅祥, 濱田 稔夫
    1995 年 37 巻 3 号 p. 367-372
    発行日: 1995年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    17歳, 女性の左背部上方に生じた水疱様変化を伴った石灰化上皮腫の1例を経験した。病理組織学的には水疱様外観を呈した部分は, 真皮の強い浮腫とリンパ管の拡張が認められた。本邦における水疱様変化をともなった石灰化上皮腫の現在までの報告80症例, 85個の集計を行ったところ, 発生部位では肩, 上腕に生じることが多く, 発生年齢では11歳以上20歳以下が全体の66%を占めた。発症機序について若干の考察を加えた。
  • 松岡 縁, 川津 智是, 磯ノ上 正明, 滝尻 珍重, 吉川 邦彦
    1995 年 37 巻 3 号 p. 373-378
    発行日: 1995年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    新生児の左足関節内側に発症した血管芽細胞腫の1例を報告した。初診時激しい圧痛と左足外反踵足, 運動障害を認めたため, CT検査で深度を測定し, 1回150cGyを3回計450cGyの電子線照射を行った。圧痛, 多汗は速やかに改善し, 皮疹, 硬結も徐々に消退した。発汗テスト, サーモグラフィーでも早期の改善が確認された。照射3年後の現在, 跛行を残すものの腫瘤はほぼ消失したままである。従来から照射されていたDermopan軟X線と電子線を比較してみると, 電子線では皮下組織の深さではるかに均一な線量を保持できるため, 血管芽細胞腫に対して少量の照射でより高い治療効果があり, 副作用もより少なくできると考えられた。
  • 佐谷 庸子, 松中 成浩, 天野 雅弘, 滋野 広
    1995 年 37 巻 3 号 p. 379-383
    発行日: 1995年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    57歳, 男性。生来包茎あり。6カ月来陰茎先端が乳児手拳大のカリフラワー状の腫瘤となり, 外尿道口は不明。生検にて有棘細胞癌と診断。触知鼡径部リンパ節生検では転移を認めず, 患者は早期からの老人性変化による高度の胸腰椎変形のため前屈が著しく, QOLを考慮し, 陰茎切断術をせず, ブレオ軟膏などのODTに併用し村橋らの陰茎阻血療法を施行。腫瘍部は3週間後に壊死脱落し正常亀頭が露出した。腫瘍は包皮内板から発症し亀頭を覆っていたため, 初診時には亀頭部発症と鑑別困難であった。阻血療法後2年2カ月経過した現在も再発もなく, 本症例では阻血療法を試み, 陰茎切断術を免れて有用であった。
  • 寺前 浩之, 前川 直輝, 石井 正光, 濱田 稔夫, 新藤 光郎, 井関 基弘
    1995 年 37 巻 3 号 p. 384-390
    発行日: 1995年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    74, 歳男性, 長野県出身。平成2年11月頃より頭部に瘋痒性の皮疹が出現し, 次第に全身性に拡大した。外用療法にて皮疹は一時的に軽快したが, 後に再び増悪して紅皮症化したため平成4年2月26日当科入院となった。この時点で血清ATLA抗体は陰性であった。入院後ステロイド内服にて皮疹はやや軽快した。その後, 細菌性髄膜炎を発症し, 全身状態の悪化を認めたため, 当院ICU転科となった。転科後, 気管支肺洗浄液および胃液より糞線虫の幼虫が検出されたため, サイアベンダゾール内服療法を開始したが, 全身状態は改善されず死亡した。後日, 末梢血標本から, PCR法にてHTLV-IプロウイルスDNAの挿入, またSouthern法にて単クローン性の腫瘍細胞増殖が確認され, この時点で本症例を播種性糞線虫症を合併したATLと診断した。
  • 東 禹彦, 佐野 榮紀, 久米 昭廣
    1995 年 37 巻 3 号 p. 391-402
    発行日: 1995年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    陥入爪の治療法には保存的治療法と手術的治療法があるが, 保存的治療法は繁雑で, その上再発を来しやすい。手術療法, ことに爪母, 爪床切除法は再発を防ぐようにすれば, 醜悪な爪甲になりやすいという欠点もある。
    陥入爪の根本的な原因は深爪であるので, 爪甲を人工爪により長くする治療法は原因療法に相当する。1992年と1993年の2年間に75例の陥入爪に人工爪による治療を行った。結果は31例が治癒, 28例が軽快, 不明が16例であった。人工爪による治療は患者に与える苦痛も少なく, 治療後に爪甲に醜形を残さず, 失敗もなく, 陥入爪に対してまず最初に選択すべき治療法と考え報告した。
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