皮膚
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37 巻, 4 号
選択された号の論文の15件中1~15を表示しています
  • 藤田 弘, 小楠 浩二, 今泉 俊資
    1995 年 37 巻 4 号 p. 415-416
    発行日: 1995年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
  • 谷垣 武彦, 原 洋子, 中谷 秀造, 渡辺 雅子
    1995 年 37 巻 4 号 p. 417-418
    発行日: 1995年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
  • 田端 正子, 谷井 司, 谷口 彰治, 中川 浩一, 濱田 稔夫
    1995 年 37 巻 4 号 p. 419-422
    発行日: 1995年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    6歳, 女児のステロイド外用によって重症化したケルスス禿瘡を経験した。グリセオフルビン, 抗生物質内服にて脱毛斑を残すことなく治癒した。しかしながら, 瘢痕性脱毛を残す症例もあり, 従来の治療に甘んじることなく, 積極的に種々の治療を試みるべきと考えられた。各症例について, 菌種の同定を行い, 菌種に応じた適切な薬剤の選択と投与方法について充分な検討が必要である。ステロイド外用剤を用いた治療についてもその投与方法には慎重な検討が必要であろう。
  • 黒川 一郎, 魚井 美由紀, 楠本 健司
    1995 年 37 巻 4 号 p. 423-427
    発行日: 1995年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    39歳, 男性に見られたPilonidal cystの1例を報告した。7カ月前より臀裂部の正中部に有痛性結節をみとめ, 発赤, 腫脹を繰り返していた。腎裂部に痩孔の開口部が存在し, pilonidalcystを疑い, 皮下の索状硬結を含め, 全摘を行った。病理組織学的所見は表皮より皮下組織に痩孔をみとめ, 痩孔内には毛包が欠如した毛と角質が存在し, 痩孔の上皮は顆粒層を伴う過角化がみられた。以上の臨床および病理組織所見より, 自験例をpilonidal cystと診断した。
  • 本城 貴子, 寺嶋 亨, 安永 千尋, 新藤 季佐, 鈴木 伸典
    1995 年 37 巻 4 号 p. 428-431
    発行日: 1995年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    23歳, 女性。初診の約半年前に, 前胸部から腹部にかけて, 直径1~5mmの灰青色と茶褐色の小結節に気づいた。家族内に同症なく, 臨床検査でも, とくに異常は認めなかった。灰青色と茶褐色の小結節を生検した。両者とも, 真皮内に嚢腫を認めた。嚢腫壁は, 数層の扁平な上皮細胞からなり, 嚢腫内に層状の角質物質と多数の軟毛を認めた。また, 嚢腫壁周辺に灰青色の小結節で, 炎症性の変化を認めなかったが, 茶褐色の小結節では巨細胞を混じた細胞浸潤を認めた。以上より, eruptivevellushaircystと診断した。
  • 魚井 美由紀, 黒川 一郎, 楠本 健司, 的場 容子, 増田 理恵
    1995 年 37 巻 4 号 p. 432-436
    発行日: 1995年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    生後7日目の男児の外尿道口嚢腫の1例について報告した。生下時より外尿道口腹側に嚢腫を認め, 術後に再び外尿道口両側に嚢腫の発生を認めた。組織学的所見では, 嚢腫壁は数層から10数層の移行上皮様細胞から構成され, 内腔の一部に断頭分泌を思わせる突起を認めたが, 筋上皮細胞は認められなかった。自験例は, 尿道あるいは尿道側管に多発性の起源となるべき先天異常があり, それが後になって, 嚢腫として発症したものと考えた。
  • 魚井 美由紀, 黒川 一郎, 楠本 健司, 岡村 明治
    1995 年 37 巻 4 号 p. 437-440
    発行日: 1995年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    前額部に生じた血管外皮細胞腫の1例を報告した。症例は34歳, 男性。4年前より顔面前額部に無症候性腫瘤が出現し, 次第に増大してきた。病理組織所見にて異型性の少ない紡錘形の腫瘍細胞が不規則に増殖し, 多数の毛細血管を取り囲む像が認められた。鍍銀染色では, 毛細血管および腫瘍細胞を取り囲むように鍍銀線維が存在し, 血管外皮細胞腫と診断した。本邦においては今までに前額部に生じた血管外皮細胞腫は報告されていない。
  • 欠田 良児, 乾 重樹, 畑 清一郎
    1995 年 37 巻 4 号 p. 441-446
    発行日: 1995年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    20歳, 男性。初診の約3カ月前より左大腿および左下腿後面に暗紅色で半球状に隆起した結節が出現して徐々に大きくなり, 出血, 圧痛を伴うようになったため, 当科受診した。病理組織学的には表皮直下から真皮全層に多形性のある組織球様細胞および線維芽細胞様細胞が増殖しており, 炎症細胞浸潤も著明であったが, bizarreな核を有する異型巨細胞や異型分裂像は認められず, 線維芽細胞様細胞も明らかなstoriform patternは形成しておらず, 悪性線維性組織球腫とは異なっていた。辺縁部では線維性の被膜に覆われ, 辺縁は明瞭であった。免疫組織化学ではvimentin (+), keratin (-), s-100 (-), desmin (-) であった。以上のことより, 異型線維黄色腫と診断し, 腫瘍辺縁より約0.5cm離して筋膜上で切除した。手術後, 2年6カ月を経過して再発は認められていない。
  • 田中 まり, 海老原 妙子, 大和谷 淑子
    1995 年 37 巻 4 号 p. 447-452
    発行日: 1995年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    表面に潰瘍, 痂皮形成を伴う小結節の臨床像を呈したDermatofibrosarcoma protuberansの2例を報告した。症例1: 45歳, 女性。初診の3カ月前より右手背に褐色丘疹出現。6×5mm大, 中央に陥凹・痂皮を伴う赤褐色小結節。症例2: 29歳, 男性。初診の2年前より右膝外側に半球状結節が出現。初診時15×12mm大, 弾性硬, 暗赤色痂皮を伴う紫紅色結節。組織学的には2例とも皮下組織へは至らないが, 水平・垂直方向への浸潤傾向・潰瘍化があり, 楕円形~ 紡錘形の核を持つ腫瘍細胞の稠密な増殖と, 明瞭なstoriform patternの形成, 核の軽度の異型性などから, DFSPと診断した。拡大切除を施行し現在経過観察中。
  • 山下 真之, 坪井 良治, 矢口 均, 小川 秀興
    1995 年 37 巻 4 号 p. 453-458
    発行日: 1995年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    症例1, 31歳, 男性。2年前より出現した径2cm大, 後頭部腫瘤。症例2, 56歳, 女性。4年前より出現した径3cm大, 頭頂部腫瘤。2例とも組織学的には, 腫瘍細胞はPAS陽性で, 外毛根鞘性角化 (trichilemmal keratinization) を認め, proliferating trichilemmal tumor (以下PTTと略す) と診断した。症例1については, 嚢腫内外に核分裂像を伴う異型性の強い腫瘍細胞を認め, malignant PTTと診断した。
  • 山本 康弘, 松中 成浩
    1995 年 37 巻 4 号 p. 459-466
    発行日: 1995年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    75歳, 男性。亀頭先端の腫瘤と黒色斑を主訴として他院泌尿器科を受診して生検を受け, 1週後に初診した。陰茎先端の黒色斑は初診の約2年前より出現し, 次第にその中心部が隆起し, 有茎性結節を生じていた。全身の検索で転移巣を認めなかった。陰茎部分切断術および両側鼠蹊部リンパ節郭清を施行して, 右浅鼠蹊リンパ節に転移を認めたため深部の郭清も追加した。切除組織所見ではALMと同様に三島らの3相構造を認めた。術後にDAVを3クール施行した。術後3年の現在まで転移を認めず, 尿道狭窄もなく立位にて排尿も可能である。自験例は本邦で陰茎部に生じた悪性黒色腫の20例目の報告と思われる。
  • 川津 智是, 高木 圭一, 調 裕次, 山路 雅己, 大畑 千佳
    1995 年 37 巻 4 号 p. 467-471
    発行日: 1995年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    幼児期に砒素混入ミルクによる急性中毒症の既往を持つ40歳男性の左大腿部に生じたボーエン癌を報告した。発症部には3歳頃から褐色斑があり, 30歳頃にはボーエン病が生じていたと推測される。単発で点状白斑や掌蹠角化症はなく, 調べた限り他臓器病変もなかった。
    砒素ミルク中毒被災者の一部にはこれまでに点状白斑や掌蹠の丘疹状角化症が認められているが, ボーエン病が生じたという報告はない。既知の成人期の集団砒素中毒症と同様, 今後も継続した経過観察の必要があろう。
    乳幼児期に砒素中毒症に罹患した被災者集団の継続的な経過観察の必要性をあらためて強調したい。
  • 南 好美, 松中 成浩, 廣井 健治, 木村 雅紀, 横田 栄夫, 小林 康人
    1995 年 37 巻 4 号 p. 472-477
    発行日: 1995年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    42歳, 女性, 主婦。約10年前より両側大陰唇にコンジローム様丘疹が出現し, 産婦人科にて反復治療して全治していた。昭和63年に第2子を帝切出産後再発し, 外陰部のほぼ全周から会陰部, さらに肛囲部まで連続性に拡大して, 茶褐色, 辺縁隆起性の局面となった。臨床的・組織学的にボーエン病と診断し, 平成2年11月に辺縁5-10mmを離して切除後全層植皮術を施行した。以後, 3度の膣皮膚粘膜移行部, 肛囲に再発を繰り返し, 本年9月2日4度目の切除術では直腸粘膜への浸潤を認めた。本症例は初回治療時に, より広範囲の切除を実施する必要性があったと思われた。また, 子宮頸部の生検にて上皮内癌を指摘され, 産婦人科にて平成3年3月単純子宮全摘術をうけた。切除標本から吉川らの方法によりL 1領域をPCRで増幅, 制限酵素で切断し, HPV16DNAを検出した。
  • 谷垣 武彦, 中谷 秀造, 渡辺 雅子, 矢野 健二
    1995 年 37 巻 4 号 p. 478-482
    発行日: 1995年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    患者は54歳の女性。初診の10数年前より左大腿部外側に疣状皮疹があったが放置していた。約5年前より漸次増大し, 易出血性となった。病理組織像は, 毛包漏斗部の腫瘍 (T. F. I.) と外毛根鞘癌 (T. C.) があると考えられた。今までの文献で明らかに外毛根鞘腫から発生したとするT. C. の報告例はない。本例は「T. F. I. を発生母地として生じたT. C. の可能性があった」ので報告する。
  • 半量, 常用量における再燃予防効果について
    オキサトミド慢性蕁麻疹研究班
    1995 年 37 巻 4 号 p. 483-490
    発行日: 1995年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    慢性蕁麻疹に対するオキサトミドの臨床的効果を評価するために, 20施設で共同研究を行い, 167例の患者を検討した。オキサトミドを投与後4週目に改善以上の効果を示した症例は79.9%であった。投与4週目で治癒または著明改善がみられた63例の症例についてその後, オキサトミド半量投与群 (30mg) と常用量投与群 (60mg) の2群に分け, 再燃予防効果を比較した。その結果, 8週目の効果判定で両群の間で蕁麻疹の再燃予防効果に有意差を認めなかった。以上より, 4週目に著明改善以上の効果を示した症例では4週目以降, 半量 (30mg) 投与で再燃予防効果があると考えられた。
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