皮膚
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38 巻, 6 号
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
  • 大磯 直毅, 須貝 哲郎, 安永 千尋, 田水 智子
    1996 年 38 巻 6 号 p. 560-561
    発行日: 1996年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
  • 松本 千穂, 北吉 光, 西村 雅恵, 田中 まり, 大和 谷淑子
    1996 年 38 巻 6 号 p. 562-563
    発行日: 1996年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
  • 秀 道広, 岡野 伸二, 山本 昇牡
    1996 年 38 巻 6 号 p. 564-570
    発行日: 1996年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    ヒスタミンはヒスチジン脱炭酸酵素によりヒスチジンより合成され, 主に肥満細胞と好塩基球に蓄えられるが, 脳, 胃 (ECL細胞), リンパ球, 皮膚表皮細胞などでも合成される。遊離されたヒスタミンはジアミン酸化酵素系, またはヒスタミン-N-メチル基転移酵素系の二つの代謝経路を経て大部分は尿中に排泄される。皮膚I型アレルギーに深く関与し, 蕁麻疹では急激に, アトピー性皮膚炎では緩除に遊離されて血管拡張や痒みを起こすと考えられる。肥満細胞からはヒスタミンに続いて各種サイトカインが遊離され, 各々異なる分泌調節を受けることが明らかになりつつある。
  • PCNAの組織化学による検索
    喜多野 征夫, 藤本 律子, 岡野 由利, 島本 美香, 猪原 愼一, 北川 恵子
    1996 年 38 巻 6 号 p. 571-575
    発行日: 1996年
    公開日: 2010/11/30
    ジャーナル フリー
    毛包組織における細胞増殖を抗PCNA抗体を用いて, 免疫組織法により検討した。材料はC57BLマウスの背部皮膚とヒト頭皮を用いた。成長期毛包において, 下部毛球の細胞はほぼ100%PCNA陽性であり, 毛の成長に伴う活発な細胞増殖を裏付けていた。外毛根鞘は毛球部から毛隆起にいたる毛根の下半部において, PCNA陽性細胞が多く, しかも全層にわたって認められた。峡部においてはPCNA陽性細胞は少数しか存在しなかった。毛漏斗部では表皮と同様に基底層である最外層にPCNA陽性細胞が存在した。これらの所見より外毛根鞘の胚芽部は毛根に近い部分であり, 毛漏斗部は表皮の延長であると考えられる。これらの所見はマウス, ヒトともに同様であった。
  • 東 禹彦, 久米 昭廣, 上田 清隆
    1996 年 38 巻 6 号 p. 576-580
    発行日: 1996年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    キダチアロエ粒摂取により生じた汎発性湿疹の症例を報告した。患者は57歳, 女性で10年間にわたってキダチアロエ粒を毎日3粒内服していた。6年前から全身に痒みを伴って紅斑を散在性に生じ, 各種医治を受けるも治癒しなかった。キダチアロエ粒を中止し, 発疹は軽快した。キダチアロエ粒を再摂取させたところ発疹が誘発され, キダチアロエによる発疹と確定した。発疹の原因の検索が重要であることを示す例と考え報告した。
  • 症例報告
    足立 準, 遠藤 薫, 吹角 隆之, 小嶋 益子, 青木 敏之
    1996 年 38 巻 6 号 p. 581-584
    発行日: 1996年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    アトピー性皮膚炎患者に認められたG群溶血性連鎖球菌 (溶連菌) による膿痂疹の2例を報告した。症例1, 5歳, 女児。乳児期より中等度のアトピー性皮膚炎がある。2日前より, 顔面, 前腕などに痂皮を伴った膿庖が出現してきた。症例2, 21歳, 女子。乳児期より軽度のアトピー性皮膚炎がある。1週間前より顔面を中心に膿疱が出現した。両者とも膿庖よりG群溶連菌が検出された。抗生物質の内服により, 軽快した。G群溶連菌の膿痂疹の臨床症状はA群溶連菌よりも軽いことが多い。またそれはカポジ水痘様発疹症に似た皮疹を呈し, あるいはそれと合併するので誤診することがあり, 注意を要する。
  • 川上 尚弘, 花垣 博史, 児玉 昌子, 市橋 正光, 安東 誠
    1996 年 38 巻 6 号 p. 585-589
    発行日: 1996年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    トフィソパム (グランダキシンR) による多発性固定薬疹の本邦第1例を報告する。患者は84歳の女性であるが, トフィソパム内服後, 体幹・四肢に手掌大までの紫紅色紅斑と水疱が多発した。皮疹の出現と共に8年前より存在していた口腔及び結膜の乾燥症状が増悪し, さらに心外膜炎による心不全症状の出現を認めた。抗核抗体・抗SS-A抗体陽性所見, 小唾液腺の病理組織学的検査所見より, Sjogren症候群の診断が確定した。sicca症状と心外膜炎症状は皮疹軽快後増悪したまま持続し現在に至っている。トフィソパムの十分の一常用量内服にて, 皮疹消退後の色素沈着部に皮疹が再燃した為, トフィソパムを原因薬剤と同定した。薬疹発症とともに既存の膠原病の症状が増悪したという報告はまれなものと考え, 報告した。
  • 西村 雅恵, 田中 まり, 松本 千穂, 北吉 光, 大和谷 淑子, 毛受 正和, 中川 理
    1996 年 38 巻 6 号 p. 590-594
    発行日: 1996年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    57歳, 男性。両親に同症なく, 5人兄弟中本人を含め3人に同症あり。30歳頃より膝部伸側に皮下結節が生じ次第に増加した。初診時, 肘部, 手背, 手指, 膝部, 足背, 足趾に腱の走行に沿って多数の結節がありアキレス腱起始部から下腿にかけて腱肥厚と皮膚に瘻孔を認めた。足背の多数の結節の切除術を施行した。組織学的所見: 多数の泡沫細胞と巨細胞を認め, 典型的な黄色腫の像であった。血液学的検査: T.cho253mg/dl, TG211mg/dl, ベータシトステロール (-), コレスタノール (-)。LDL受容体活性: B:34.9%, I:48.0%, D:73.0%。以上より家族性高コレステロール血症ヘテロ型と診断した。
  • 森 勝典, 奥田 賢, 鹿島 真人, 中林 康青
    1996 年 38 巻 6 号 p. 595-599
    発行日: 1996年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    59歳女。4年前, 左肩部の丘疹に気付く。自覚症状なく放置。徐々に増大。現症: 左肩に, 直径10mm高さ2mm, 半球状で弾性軟, 表面平滑な常色の孤立性結節。組織所見: 真皮上層から下層に, ムチン様物質が充満。内部に, 紡錘形の細胞が散在。ムチン様物質は, アルシアンブルー (pH2.5) で陽性を示し, ピアルロニダーゼで消化された。また, トルイジンブルー染色 (pH2.5) で異染性を示した。臨床, 組織学的所見よりcutaneous focal mucinosisと診断, 文献的考察を加え報告した。
  • 速水 誠
    1996 年 38 巻 6 号 p. 600-606
    発行日: 1996年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    68歳女性の下腹部に存在した脂漏性角化症 (SK) の上に, 約半年前より腫瘍が新生した。組織学的にはintermediate typeのclear cellとbasaloid cellの多柱状増殖で, 数ケ所に楔型の角質柱, squmous eddies, 角質嚢腫が存在し, 毛嚢漏斗部への分化を思わせた。腫瘍細胞には異型性, 核分裂像, 個別細胞角化などの悪性変化を認めるが, 基底膜は保持されており, epitheliomaレベルのものと考えられた。SKと腫瘍の境界線は鮮明であるが数個の表皮突起をジグザグに横断して見られた。以上の所見より自験例をSKに続発した前癌性毛嚢漏斗部腫瘍と診断した。SKに表皮性悪性腫瘍を続発したとの報告は散見されるが, 毛嚢系悪性腫瘍の報告は稀である。
  • 中野 佳津, 草壁 秀成, 清金 公裕
    1996 年 38 巻 6 号 p. 607-611
    発行日: 1996年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    4ケ月, 女児。生後7日目頃より全身に紅斑が出現した。初診時, 顔面をはじめ全身に米粒大から母指頭大までの不規則な形状の, 鮮紅色から暗紅色の変化が存在した。眼球結膜, 口腔粘膜には異常を認めなかった。臨床検査所見では, GOTおよびGPTの上昇のみを認めた。皮膚病変は生後9ケ月頃より消退しはじめ, 1年10ケ月にはほぼ消失した。また, 同時に肝酵素も改善した。以上より, 自験例をbenign neonatal hemangiomatosisと診断した。
  • 伊泊 裕子, 中筋 一夫, 酒谷 省子, 草壁 秀成, 大槻 勝紀, 清金 公裕
    1996 年 38 巻 6 号 p. 612-618
    発行日: 1996年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    59歳, 男性に生じたcirsoid angiomaの1例を報告した。既往歴に肝硬変, 食道静脈瘤がある。初診の約1年6ケ月前より前額部に紅色小丘疹が出現し, 徐々に増大した。同様の皮疹は頭部, 左上眼瞼にも出現し, 増大してきた。皮疹は拍動を触れ, 周囲に毛細血管拡張を認める。組織学的に真皮上層から下層にかけて壁の不規則に肥厚した異型血管の増生を見た。臨床所見, 光顕および電顕所見より, cirsoid angiomaと診断した。
  • 宮島 進, 松岡 縁, 岡田 奈津子, 福田 健児, 松下 哲也, 奥山 晃子, 仙波 治, 富永 和也, 小林 曼
    1996 年 38 巻 6 号 p. 619-625
    発行日: 1996年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    76歳, 女性。前頭部に暗紫色斑をともなう腫瘤が生じ, 当科受診。生検にてangiosarcomaと診断された。腫瘍を切除し植皮術を施行。術後, 頭部のsatel litelesionに対してrlL-2を投与した。皮疹はほぼ消退したが, 6カ月後に左耳前部に腫瘤が生じた。angiosarcomaの転移と診断し, 外頚, 及び浅側頭動脈からrlL-2を動注。一部腫瘍の縮小を認めたため, 切除術を施行。その後, 同部位より再発し, 20センチ以上の巨大腫瘤を形成し, 大量出血をともなって死亡した。剖検では肺, 傍気管リンパ節に転移巣が認められた。
  • 大畑 千佳, 調 裕次, 高木 圭一, 川津 智是
    1996 年 38 巻 6 号 p. 626-629
    発行日: 1996年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    87歳, 男性。数年前から外傷の既往なく左第1趾爪が変形しだし, 約1年前から痛みだしたが, 誰にも見せず放置していた。初診時, 左第1趾爪は白濁肥厚, 迂曲変形し後爪郭に陥入して反応性肉芽と潰瘍を形成していた。抜爪により自他覚症状は改善した。直接鏡検で白癬菌を認めたため, 爪白癬に伴う爪甲鉤弯症と診断した。特異な臨床像を呈した爪甲鉤弯症と考え報告した。
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