日本人の尋常性天疱瘡 (PV) 患者20例, 落葉状天疱瘡 (PF) 患者13例を対象にPCR-RFLP法によりHLA class II遺伝子 (DRB1, DQA1, DQB1) のタイピングを行った. PV患者では20例全例でDRB1 *04あるいは*14のsubtypeのallele (DRB1*0403, *0404, *0406, *1401, *1405, *1406) がみられた. これらの各alleleではDRB1 β鎖可変領域のPhe
26, Leu
67, Arg
71, Val
86の残基が共通であった. これまでに他民族でPV患者と関連が報告されているallelesと比較すると, これらのうちPhe
26, Val
86が-致しており, 67位がLeuあるいはlle, 70位と71位が親水性残基という共通点が見い出された. PF患者では13例中9例 (69.2%) の患者でDRB1*04あるいは*14のsubtypeのallele (DRB1*0403, *0405, *0406, *1401, *1405) がみられた. PF患者のもつDRB1 alleleは26位と67位に疎水性残基を, 70位と71位に親水性残基を有していた. 以上よりこれらのアミノ酸残基とPV, PF両疾患発症との関連が示唆された.
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