バイオメカニズム学会誌
Print ISSN : 0285-0885
30 巻, 1 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
解説
  • 渋谷 恒司, 渡邉 高志
    2006 年 30 巻 1 号 p. 2
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/26
    ジャーナル フリー
  • 大串 健吾
    2006 年 30 巻 1 号 p. 3-7
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/26
    ジャーナル フリー
    音楽は古くから感情と深く関連していることが知られている.音楽と感情について議論する場合,これまでしばしば混同されていた,音楽に内在する感情を認知する場合と音楽の演奏によって惹き起こされる感情に着目する場合とは区別されなければならない.音楽と感情の研究に関する科学的研究の歴史は古いが,1980年代以降,この分野で非常に多くの研究が発表されるようになってきた.この解説では,音楽の中に内在する感情を調べた心理学的研究,音楽によって生じる情動を言語反応と生理学的反応を使って調べた研究,演奏者の感情意図が聴取者にどのように伝わるかについての研究の中からいくつかの研究を選び,これらを紹介することによってこの分野の研究動向を解説することにする.
  • 柳田 益造
    2006 年 30 巻 1 号 p. 8-16
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/26
    ジャーナル フリー
    ここ20年ほどの間にコンピュータによって音楽を扱う機会が飛躍的に増えた.それはMIDI規格が浸透し,キーボード付きのシンセサイザやエレキギターあるいは一部の管楽器やドラムスまでもがMIDI規格でコンピュータに接続できて,リアルタイムで情報交換できるようになったからである.さらに,MIDI規格の音楽ソフトが多数市販され,やろうと思えば素人でも自分で「作曲」し,「演奏」できるようになった.しかし,現在,純音楽の分野でMIDI 楽器やコンピュータを使って音楽活動をしている人はほとんどいない.それはなぜか,またコンピュータは音楽,特に作曲にどこまで使えるのかを,20世紀の音楽を振り返りながら,情報科学/工学,音楽/音響工学の観点から考える.
  • 古川 康一
    2006 年 30 巻 1 号 p. 17-20
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/26
    ジャーナル フリー
    我々は弦楽器演奏を取り上げ,職業演奏家の技を明らかにすることを目的として身体知の言語化の研究を始めた.より具体的には,大きな自由度をもつ右手による運弓動作に着目した.そこでの問題は,最適な軌道を選択すること,および,その軌道を常に再現するためのスキルを身に着けることである.軌道を選択する際に必要となる最適性の基準としては力学的な妥当性および体の可動域などの制約条件を想定した.実際に職業演奏家の体の動きを観測し,その動きの力学モデルによる説明を求めた.さらに,演奏中の生体力学的時系列データを計測し,それらのデータの中から特徴的なパターンを抽出して高度な演奏の秘密を解き明かす試みにも挑戦している.
  • ソリス ホルヘ, 末藤 啓, 谷口 公一, 高西 淳夫
    2006 年 30 巻 1 号 p. 21-25
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/26
    ジャーナル フリー
    筆者らは,人間形フルート演奏ロボットWF-4RII (Waseda Flutist No.4 Re.ned II)を開発し,ロボットのみでフルート演奏を行うだけでなく,人との共演や,人にフルートを教えるなど,さまざまな研究を行っている.そこで本稿では,WF-4RIIのハードウェアを紹介するとともに,共演や教育といった人とのインタラクションに関する研究について説明する.
  • 市江 雅芳
    2006 年 30 巻 1 号 p. 26-30
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/26
    ジャーナル フリー
    音楽療法は欧米を中心に発展してきたが,近年日本でも関心が持たれ,音楽療法士という専門のトレーニングを受けたセラピストが生まれている.活動の場は主として高齢者施設である.緩和ケアなど,音楽療法が重要な役割を果たす医療領域が存在する.しかし,医療の場に音楽療法を導入するためには,国家資格や医療職としての教育など,様々な問題を解決しなければならない.一方,1994年に制定された音楽振興法の趣旨に基づいて,生涯学習音楽指導員が地域社会で活動している.これら二つの新しい動きは,これまでの音楽との関わりとは異なり,音楽の持つ根源的な力を,人間がより良く生きるために活用しようというものである.
ショートペーパー
  • Achmad Arifin, Takashi Watanabe, Makoto Yoshizawa, Nozomu Hoshimiya
    2006 年 30 巻 1 号 p. 31-35
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/26
    ジャーナル フリー
    This paper described a computer simulation test of six different stimulation schedules for the cycle-to-cycle control of swing phase of functional electrical stimulation (FES) induced hemiplegic gait. The stimulation schedules were evaluated in controlling the hip, the knee and the ankle joint movements on the point of view of acceptable quality of the gait that was similar to the natural gait pattern. Five stimulation schedules were knowledge-based stimulation schedules and one stimulation schedule was an EMG-based stimulation schedule. Two acceptable stimulation schedules were found by the evaluation. Results of this study showed that combination of the timing pattern of muscle activation and knowledge of joint movements and muscle function is necessary in design of stimulation schedule for FES gait. Co-activation of the ilopsoas, the hamstrings and the vastus muscle at the beginning of swing phase and that of the tibialis anterior and the soleus at the end of swing phase were found to be effective in controlling swing phase. The knowledge-based generation of stimulation schedule would be effective and necessary in clinical application.
連載
  • 江原 義弘
    2006 年 30 巻 1 号 p. 36-40
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/26
    ジャーナル フリー
    医療系の学生にバイオメカニクスデータの解釈の方法を教える場合,横軸が時間を表し,縦軸がデータを表すグラフに慣れるところから始める.次に座標系・座標軸を基準にして3次元の物理量が数値で表現されていることを把握させ,各成分が一つずつの数値で表現させているからこそ,グラフが書けるのだと言うことを体感させる.力や速度・加速度はイラストで表現する場合には矢印で表現できるが,これを成分の数値で表現する場合,成分は矢印の向きによって正になったり負になったりすること,しかもそれが座標軸の取り方で変わってくることを理解させる.このような基礎概念はただ講義をしただけではだめで,対話形式で問答をして学生がしっかり把握していることを確認してから,重心・床反力・関節モーメントなどの基礎知識を学習させる.
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