バイオメカニズム学会誌
Print ISSN : 0285-0885
32 巻, 4 号
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解説
  • 勝平 純司
    2008 年 32 巻 4 号 p. 184
    発行日: 2008年
    公開日: 2011/05/31
    ジャーナル フリー
  • 河野 裕之, 戸村 哲次郎, 高橋 儀平
    2008 年 32 巻 4 号 p. 185-189
    発行日: 2008年
    公開日: 2011/05/31
    ジャーナル フリー
    公共トイレの「便房内操作系主要3設備(紙巻器・便器洗浄ボタン・呼出ボタン)の壁面配置」標準化(JIS規格化)に関する取組みを,ユーザ検証の実例を交えて解説した.
  • 高井 智代
    2008 年 32 巻 4 号 p. 190-194
    発行日: 2008年
    公開日: 2011/05/31
    ジャーナル フリー
    排泄時の立ち座り動作に苦痛を感じるリウマチ疾患女性を想定した女性用立位小便器を開発した.和風便器と洋風便器を比較すると,後者が圧倒的に楽であるものの,「立ったまま排泄できたら楽だと思う」人は多く,立位による排泄への潜在的なニーズは大きい.立位で排尿した際の尿落下点をふまえた試作便器を作製し,リウマチ女性を被験者とする使用感評価実験を実施した.被験者 13名のうち 1名に若干の尿の飛散があったが,これは使用時に身体が傾いた結果で,直立で排尿すれば尿の飛散の可能性は低い.女性用立位小便器は,従来の和風や洋風の便器に比べ,排尿時の負担を大幅に軽減できる.
  • 本間 敬子, 松本 治, 小野 栄一, 李 秀雄, 山田 陽滋, 堀本 幹夫, 鈴木 貴弘, 金平 徳之, 鈴木 利明, 塩澤 伸一郎
    2008 年 32 巻 4 号 p. 195-201
    発行日: 2008年
    公開日: 2011/05/31
    ジャーナル フリー
    NEDO人間支援型ロボット実用化基盤技術開発事業の下で,高齢者や障害者の排泄介護作業を対象として,トイレ技術とロボット技術とを融合することにより,排泄介護負担を軽減するための総合的な支援ロボット「トイレアシストシステム」(以下,トイレアシスト)の研究開発を行った.
    トイレアシストは,被介護者のトイレへのアプローチ支援機能,被介護者の着座支援機能,被介護者の姿勢保持支援機能,介護者の行う洗浄・清拭動作支援機能などを併せ持ち,排泄介護動作を総合的に支援するシステムである.機能を発揮するための各要素について,ニーズや課題を把握し,設計と評価を安全性およびカスタマイズ性の向上を図りながら進め,さらには統合した実証機を開発し,実証試験を通じてその有効性を評価した.
  • 小川 哲史, 岩川 幹生, 酒井 武之
    2008 年 32 巻 4 号 p. 202-207
    発行日: 2008年
    公開日: 2011/05/31
    ジャーナル フリー
    「アームレスト付きトイレ」の立ち座り動作への効果を調査した一連の実験内容を紹介,解説する.まず,最初の実験では,高齢者を対象に「手すりなし」「L型壁手すり付き」「アームレスト付き」を評価サンプルとして,官能評価,動作解析,筋電図解析,圧中心軌跡解析を実施した.その結果,「アームレスト付き」は,官能評価で 3サンプル中,最も立ち座りがしやすいことや,立ち座り時の前屈角度,脚部の筋電位,足圧中心軌跡の左右変動が最も小さいことが示され,主観評価(官能評価)の面からも,客観評価(身体負担,安定性)の面からも優れる傾向が示された.次に,「L型壁手すり付き」「アームレスト付き」を評価サンプルとして,若年者を対象に行動観察(何も指示を与えずに用を足すシーンを模擬させ,行動を観察)を実施した.「L型壁手すり付き」では 16.7%の被験者しか「壁手すり」を使用しなかったが,「アームレスト付き」では 91.7%の被験者が「アームレスト」を使用することが観察され,「アームレスト付きトイレ」が高齢者だけでなく,若年者を含めた多くの人の使いやすさ(ユニバーサルデザイン)に寄与できる可能性が示された.
  • 野村 歡
    2008 年 32 巻 4 号 p. 208-214
    発行日: 2008年
    公開日: 2011/05/31
    ジャーナル フリー
    住環境が整備されていないばかりに,数多くの高齢者や障害者が生命維持のために欠かせない排泄行為に著しく不便・不自由を感じている.不便・不自由の原因は排泄行為が「戸・扉の開閉」「衣服の脱ぎ着」「便器への座り」「後始末」などの多くの動作を狭いスペースで行なわなければならないこと,排泄は人間にとって最もプライベートな行為であるが故にトイレにはもともと「介助スペースは配慮されていない」ことなどがその原因といえる.本稿はこれらの諸動作に対する個々の住環境整備を検討しつつトイレ全体の環境整備について考察する.さらに,トイレ以外で行われる排泄行為に対する住環境整備についても言及する.
  • 萩原 義裕, 萩原 由香里
    2008 年 32 巻 4 号 p. 215-220
    発行日: 2008年
    公開日: 2011/05/31
    ジャーナル フリー
    近年日本を始め,急速に高齢化が進んでいる国は多く,高齢者の QOLを保つことは重要な課題である.高齢者のうち,身体能力が低下した者にとって,排泄動作の支援は特に重要な問題のひとつといえる.ここでは,トイレにおける衣服の脱着動作に着目し,ロボットを用いた衣服脱着支援システムを開発することを試みた.身体能力の低下が比較的軽度で,支えにつかまり立ちができる程度の障害を想定したシステムを開発し,試験機による実験を行った.本稿では開発の現状を述べ,衣服脱着支援システムによる介助者なしの排泄動作の実現可能性や問題点について述べる.
研究
  • 佐藤 成登志, 林 豊彦, 中村 康雄
    2008 年 32 巻 4 号 p. 221-228
    発行日: 2008年
    公開日: 2011/05/31
    ジャーナル フリー
    リハビリテーションの臨床現場では,患者の機能を簡便かつ定量的に評価できることが求められている.本研究では,我々が開発した CCDカメラと力覚センサを用いた 2次元逆動力学解析システムを用いて,片麻痺患者の上肢運動機能を評価した.運動タスクは,ほとんどの患者が運動でき,かつ再現性が高い 1軸のレバー回転(定トルク)とした.被験者は,痙性麻痺の軽度な片麻痺患者 10名(以下,片麻痺群)と比較検討のため健常者 10名(以下,健常群)とし,関節可動域と関節モーメントの変化や隣接関節の協調運動を検討した.その結果,関節可動域は,両群とも同様な軌跡であったが,健常群は片麻痺群と比べ,手関節を広範囲に用いる傾向にあった.関節モーメントは,健常群では全例において肩関節と肘関節を優位に用いる傾向にあった.片麻痺群では肩関節と肘関節を優位に用いる群と変化の少ない群とが認められた.健常群は運動タスクの開始時から肘関節,肩関節の順で有意に増大し,片麻痺群では 20度以降から肩関節が有意に増大した.この結果は,軽度な片麻痺群が痙性麻痺により,各関節の選択的な随意運動ができなかったことを反映している.このことより,臨床場面で我々が開発した解析システムによって,軽度片麻痺患者の上肢運動機能を評価できることが示唆された.
  • 中園 正吾, 小堀 聡
    2008 年 32 巻 4 号 p. 229-238
    発行日: 2008年
    公開日: 2011/05/31
    ジャーナル フリー
    ボタン押し課題についての実験を20名の健常者を対象に実施し,学習過程を明らかにした.ボタン押し課題とは,ディスプレイ上を移動するターゲットが指定枠に入ったらボタンを押すというものである.ここでは,情報獲得と予測の機能を測定・解析するため,ターゲットが移動の途中で表示されなくなる消滅課題とボタンを押してからターゲットが止まるまでに一定の遅れがある遅延課題を学習課題とした.実験においては誤差データだけでなく視線データも測定し,視線の移動パターンと学習の関係について検討した.その結果,消滅課題と遅延課題における学習効果は,視線移動の方法の変化と強く結びついていることが推察された.
  • 鈴木 聡一郎, 蜂谷 正泰
    2008 年 32 巻 4 号 p. 239-246
    発行日: 2008年
    公開日: 2011/05/31
    ジャーナル フリー
    現在,ヒューマノイドのエネルギ効率や環境適応性の改善を目的として,受動歩行の応用が注目されており,その安定化手法についてさまざまな検討が行なわれている.その多くは二次元簡略化モデルを用いたものであり,安定化理論については未だ確立されていないのが現状である.その一方で,現実的な歩行動作は三次元的に発現しており,モデルの簡略化が安定化の検討の妨げになっている可能性がある.本報では,ヒトの歩行解析結果を基に三次元歩行が可能な二足受動歩行ロボットを設計・製作し,その安定化手法について実験的に検討した.その結果,歩行路の斜度が変化しても安定な受動歩行が実現可能であることを示した.
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