バイオメカニズム学会誌
Print ISSN : 0285-0885
42 巻, 3 号
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解説
  • 速水 達也
    2018 年 42 巻 3 号 p. 140
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/08/01
    ジャーナル フリー
  • 寺田 佳代
    2018 年 42 巻 3 号 p. 141-146
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/08/01
    ジャーナル フリー
    馬術には,馬と騎手の2 つのそれぞれの個体の中で,情報の受け取り,解釈,アウトプットのループが存在する.また,騎手は馬上にいるため,そして馬は騎手が騎乗しているためその存在自体も常時相互に影響をしている.そのような中,人馬が一体となって演技をするには人馬間のコミュニケーションが鍵となる.人馬のコミュニケーションには様々な方法があるが,本稿では主に鞍を介して行う騎座のコミュニケーションと,手綱を介して行う拳のコミュニケーションに焦点を当てて解説する.鞍の座位部は厚みを有するが,本稿ではそのような形状の鞍の上で騎手の意思が馬に伝わるのかを含めた馬の研究を幾つか紹介する.
  • 白井 祐介
    2018 年 42 巻 3 号 p. 147-152
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/08/01
    ジャーナル フリー
    ボート競技とは2000 m の直線コースで着順を競い合う持久系スポーツである.レース中は,酸素摂取量(VO2max)が最大酸素摂取量(VO2max)の90% 以上で推移することから,有酸素性代謝からのエネルギー供給が高いレベルで維持されることが明らかになっている.一方,レース中のペース戦略に着目すると,(VO2) が十分に高まっていないスタート直後や,(VO2) がほぼ(VO2max) に達しているレースの後半において特に高い運動強度で運動が遂行される(スタートスパート及びラストスパート)ことがわかる.そのため,こうした区間では,有酸素性エネルギー供給量の不足分を補うために,無酸素性代謝の貢献も高まっていると考えられる.本稿では,ボート競技の運動特性及びエネルギー代謝の観点から,その特徴を解説する.
  • 小口 貴久
    2018 年 42 巻 3 号 p. 153-158
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/08/01
    ジャーナル フリー
    本稿では,そり競技の競技力向上のための取り組みを体力要素に着目して報告する.リュージュについては,国内一流選手のスタート動作を分析し,スタートバー反力や力学的エネルギーの流れなどを踏まえながら,優れたスタート動作のメカニズムについて紹介する.また,滑走時の空気抵抗を軽減する滑走姿勢のための風洞実験やその姿勢保持のための歯科的アプローチに関する情報を提供する.ボブスレーとスケルトンでは,新たな選手の発掘・育成に活用されているコントロールテストについて紹介する.
  • 山本 敬三, 坪倉 誠
    2018 年 42 巻 3 号 p. 159-164
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/08/01
    ジャーナル フリー
    スキージャンプ(以下,ジャンプ)の一連の動作の中で,空気力学的に重要な局面は飛行と踏切局面であり,これらの局面で選手に作用する空気力は,競技パフォーマンスに大きく影響を及ぼす.この解説論文では,飛行機の飛翔メカニズムについて概説した後,ジャンプの飛行と踏切局面について,その力学的メカニズムと先行研究によって明らかになった知見について解説する.飛行局面では,揚力獲得のメカニズムと姿勢の安定性について述べる.助走局面では,動作の力学的目的を流体力学の視点から考察する.ジャンプの気流解析では,手法として風洞実験と数値流体解析が用いられることが多い.空気力(揚力や抗力)の導出や気流状態の可視化には,計測対象の固定方法や力覚センサの配置,精度検証など,クリアしなければらない課題が多い.しかし,ジャンプが飛翔能力を競うスポーツであることから,空気力学的な観点は競技力向上に必要不可欠である.
  • 中村 喜彦
    2018 年 42 巻 3 号 p. 165-170
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/08/01
    ジャーナル フリー
    パラアイスホッケーは,スレッジとよばれる専用のそりに乗って行う障害者スポーツである.選手が座るシートは,生体-器具インターフェースとして選手自身の運動をスレッジに伝える重要な役割がある.しかし,選手の機能障害は様々であり残存能力も異なるため,シートが選手の身体形状に近似しているというだけでなく,パラアイスホッケーという競技特性と本人の障害特性に応じたものでなければならない.しかし,これらに関する研究は少なく,選手の主観的評価と製作者の経験により製作しているのが現状である.そこで今回,機能障害の種類として脊髄損傷と下肢切断に注目し,現状のシート製作方法の紹介を交えながら,それぞれの障害特性を考慮したシートデザインと適合について解説する.
  • 川端 浩一
    2018 年 42 巻 3 号 p. 171-176
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/08/01
    ジャーナル フリー
    2020 東京オリンピック・パラリンピックがいよいよ2 年後に迫り,パラリンピック競技も大きな注目を集めるようになってきた.パラアスリートを取り巻く環境も大きく改善され,心理学,バイオメカニクス,栄養学,医学,運動生理学などスポーツ医科学の専門スタッフが選手を支援するサポート体制も整ってきている.また近年は,障がい者スポーツに関する研究も積極的に行われるようになり,研究によって得られた知見が現場に応用されるなど,現場と研究が密接に関わりを持つようになってきた.本稿では,パラリンピック種目である陸上競技車いす男子100 m(T54)の現場におけるサポートで得られたデータと車いすテニスのチェアワーク実験で得られたデータについて報告する.
研究
  • 加茂野 有徳, 荻原 直道
    2018 年 42 巻 3 号 p. 177-184
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/08/24
    ジャーナル フリー
    Clarifying the biomechanics of cane-assisted gait in stroke patients is important for developing better rehabilitation approach. However, the kinetics of cane-assisted gait has not been clarified since the kinetic analysis is difficult in the nonaffected side holding the cane. In the present study, cane-assisted gait was measured by using force platforms, a motion capture system and an instrumented cane with a triaxial force sensor. The inverse dynamic analysis of both affected and unaffected legs in cane-assisted gait in post stoke hemiplegic patients was performed by using a three-dimensional musculoskeletal model. Participants were two stroke patients with moderate hemiplegia admitted to a rehabilitation center. Cane-assisted gait was measured twice per person (soon after the participants were able to walk at least 10 m without physical assistance and before the discharge from the rehabilitation center). Our results demonstrated that there was an increase in the hip and knee joint moment of the affected leg and in the hip external rotation moment in the unaffected leg as walking velocity increased during rehabilitation. The inverse dynamic analysis of both affected and unaffected leg is effective for understanding the mechanics of the cane-assisted gait in stroke patients.
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