バイオメカニズム学会誌
Print ISSN : 0285-0885
45 巻, 4 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
解説
  • 橋本 雅至
    2021 年 45 巻 4 号 p. 208
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/11/25
    ジャーナル フリー
  • ~インソール作製から動作の改善を狙う~
    伊佐地 弘基
    2021 年 45 巻 4 号 p. 209-214
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/11/25
    ジャーナル フリー
    医療・介護・スポーツ等の現場において,動作時痛は早期に改善すべき最重要課題である.その疼痛には必ず機能的要因があり,ある部分の機能不全が引き金となり,動作の中で局所組織に力学的ストレス集中を生む.その結果,組織損傷へと至り,疼痛発生へと及ぶ.そのため,局所症状に対する治療介入だけでは障害の本質的な改善は難しい.よって,疼痛の要因である力学的ストレス集中を改善するためには,骨・関節アライメントや姿勢を把握し,その影響を動作の中で観察・分析することが重要であり,力学的ストレス集中の要因となる機能不全を改善し,動きを変化させることが求められる.今回,下肢障害に対する観察的動作分析をはじめ,疼痛発生メカニズムの推察,インソール作製による動きの変化とその分析について事例を用いて解説する.
  • 村上 憲治
    2021 年 45 巻 4 号 p. 215-219
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/11/25
    ジャーナル フリー
    傷害受傷後,リハビリテーションの過程の中でどのような判断基準で競技復帰をおこなうのか選手や指導者の経験則による主観的要因が基準になることが多いのが現状である.また治療を担う医療スタッフにおいても症状の消失など医学的判断が基準となり競技特性に応じた復帰判断がなされているとは言いがたい.競技復帰を考えた場合,最低でも再受傷・再発しないこと,受傷前の競技レベルに達していることが重要であり,その基準を選手・指導者・医療スタッフ間で共有化できていることが重要と考える.その一つの方法として我々がおこなっている動作の可視化による評価基準について基本的な考え方と基本的な活用について紹介する.
  • 倉林 準, 三宅 英司, 吹田 真士, 坂井 やよい
    2021 年 45 巻 4 号 p. 220-226
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/11/25
    ジャーナル フリー
    本解説は,動作分析・解析について,スポーツ競技を通して多様な側面から検討を行いました.まず,動作分析・解析そのものについて,次にスポーツ競技,パフォーマンスについて分類と説明を行いました.その上で,スポーツ競技の分類に合わせた動作分析・解析の適応,課題を説明しています.また,適応されている動作解析・分析について紹介しながら,今後における動作分析・解析の展開について述べています.さらに近年におけるスポーツ競技の大衆性と動作分析・解析の活用における有り様と今後について述べるとともに,活用の方向性について提案しています.
  • 児玉 謙太郎, 清水 大地, 安田 和弘
    2021 年 45 巻 4 号 p. 227-238
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/11/25
    ジャーナル フリー
    近年,ヒトの複雑な動作を定量化する手法として非線形時系列解析が医療・スポーツ分野に応用されている.姿勢の変 動性を例に挙げると,従来の基本統計量や線形解析手法では,姿勢の動揺量や面積など“量”的な側面を評価するが,非線形手法では,その変動,揺らぎに含まれる時間構造やパターンを抽出し,どのように変動しているのかといった“質”にもアプローチできることが期待されている.本稿では,身体動作の動的安定性や協調性,複雑性,適応性を定量化する手法について解説し,それらを医療・スポーツ分野の特にリハビリテーション研究,スキル研究に応用した事例を紹介し,関連する最近の動向と今後の展望について述べる.
研究
  • 津留﨑 康平, 井上 捷太, 江原 義弘
    2021 年 45 巻 4 号 p. 239-244
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/11/01
    ジャーナル フリー
    身体重心は動作分析において動作の対称性と効率性を評価する重要な指標となる.ただし現在の身体重心算出方法の主流である運動学的手法においては,身体に貼付した赤外線反射マーカーの位置情報とあらかじめ決めた身体力学係数を使用することから,算出された身体重心に個人の身体的特徴が反映されない問題がある.本論文では大腿義足使用者 3名の身体重心を床反力データから算出し運動学的手法から得たものとの比較を行った.その結果,本手法で得た大腿義足使用者の身体重心は従来の運動学的手法で得たものより非切断側に位置していた.大腿義足使用者の身体的特徴が反映されたものと考えられた.
  • DANG KHOA NGUYEN, 徳永 由太, 高林 知也, 稲井 卓真, 久保 雅義
    2021 年 45 巻 4 号 p. 245-250
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/11/01
    ジャーナル フリー
    片脚立位課題における膝関節の固定・非固定が姿勢制御戦略に与える影響を観察し,足関節不安定性を示す CAI群内でのバランス能力についてさらにサブグループ化を試みた.健常成人と CAI者を対象とし,閉眼の片脚立位姿勢を膝関節の固定・非固定条件において実施し,各群の圧力中心( COP)や頭部・足部加速度を比較した. CAI群内について, 2条件の間での左右方向の頭部加速度変化量により,高変化群と低変化群に分け,バランス能力を評価した.膝関節固定条件では,股関節・足関節の運動連鎖が絶たれたため,片脚起立は困難になったが,健常群と CAI群ではその対応は異なっていた.同じ CAI群内でも高変化群と低変化群では,下肢運動連鎖によりマスクされていた足関節不安定性に起因すると考えられるバランス能力に有意な違いが観察された.臨床的にも使える方法で,CAI者のバランス能力評価に新しい情報を加えることができる.
  • 安在 絵美, 浅野 春菜, 中嶋 香奈子, 児玉 美幸, 小林 吉之, 才脇 直樹, 太田 裕治
    2021 年 45 巻 4 号 p. 251-258
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/11/01
    ジャーナル フリー
    膝の不安定性は変形性膝関節症の進行に関わるため歩行観察評価の着目点である.本研究では地域でも利用可能な客観的な膝不安定性評価のためのシステム構築を目指し,歩行中の膝不安定性に関連する特徴量を明らかにすること,および観察評価に対する推定モデルの構築を目的とした.高齢者 70名(71.2 ± 6.6歳)を対象に,歩行中の下肢の加速度と角速度を計測し,不安定性については理学療法士の観察による 5段階評価を実施した.結果より膝不安定性の増大には,膝上左右加速度の増大,膝上鉛直方向加速度の減少,膝下の進行方向軸周りの角速度増大が関連していた.交差検証にて作成されたモデルはいずれも上記 3つの指標を選択しており,膝不安定性の評価に貢献する可能性が示された.
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