使用済み蛍光管の安全かつ有用な処理方法の一つとして, 割らずにリサイクル工場に持ち込むルートの構築がある. これに示唆を与えているものに, 大阪府豊中市においておこなわれた経済的手法を用いた使用済み蛍光管の回収実験がある. 本稿では, この回収実験の仕組みおよび結果について詳細に検討し, 次の示唆を得た. (1)この実験の仕組みは使用済み蛍光管の回収を促す. (2)この実験の仕組みにおける経済的インセンティブへの制約は, 使用済み蛍光管の回収にそれほど悪い影響はない. (3)この実験の仕組みは, 運営費用を下げられる余地があるとともに, 消費者の評価も得られ, 今後, 検討を深めていくべきである.
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