Lee-Yangは弱い相互作用においてパリティ保存則が破れる可能性について論じ,さらに質量が正確に0である中性微子の二成分理論を有効に用いて,レプトン過程におけるパリティ不保存はすべて中性微子の仕業に帰せられることを示した.この論文においては,質量が正確に0である中性微子と光との関係を明かにすることによつて,彼等の理諭そのままからは望ましくない過程μ^++p→p+e^-,μ→e^-+e^++e^-等を禁止する方法を見出すことが困難であるのに対して,上の望ましくない諸過程を禁止するように中性微子の理論をつくることができることを示し,さらにレプトン過程以外の中性微子が関与していないstronglys間の弱い相互作用(普通のハイパロン崩壊,K_<π3>およびK_<π2>崩壊等)におけるパリティ不保存をも統一的に論じ得るモデルを提唱する.
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