二種の中性微子、電子,ミュー中間子からなる軽粒子を一元的な場から記述する理論を提唱する。一元的な場は4階の方程式によって記述される。電磁場および弱い相互作用のない系では,場は4重に縮退した質量ゼロをもつと解釈される。電磁場の相互作用によって,二つゼロでない異った質量の分離が実現し,一元的な場より電子,ミュ-中間子を記述する場がとり出される。電子とミュー中間子はヒルベルト空間で不定計量を導入して記述されるが,電子分よぴミュー中間子の数の保存によって,エス行列のウニタリー性が保証される。この段階では残る一元的場は2重に縮退した質量ゼロをもっているため,幽霊状態と二重極状態よりなり,二重極状態が存在しないこと,右まわりの幽霊状態が存在しないことの条件のもとでは,何らの電磁効果を生み出さない。弱い相互作用の存在によって,ゼロ質量の縮退はとかれ,ベータ中性微子とミュー中性微子が登場すろ。二つの中性微子は電子,ミュー中間子に対応してヒルベルト空間で不定計量を導入して記述され,べータ中性微子と電子の組の数,およびミュー中性微子とミュー中間子の組の数の保存によってエス行列のウニタリー性が保証される。弱い相互作用が荷電交換型であることから,弱い相互作用の大きさが中性微子間の質量差に関係することが導かれる。
抄録全体を表示