坂田模型が提唱されて以来約20年になる。ハドロン構造をめぐる最近の実験・理論の進展は,ハドロンの複合構造をハドロン内における構成子の存在様式をも含め現実的に問題にしうるところまできている。Supplement 19において"From these results it is expected that the scattering problems can also be treated by the analogy of nuclear reactions. Especially, I am tempted to think that the mystery of very high energy collisions will be solved along this line".(1961, S.Sakata)と指摘されているが,実際にこのような観点で意識的に研究がはじめられたのは1964年頃である。このレビューはハドロン反応を通じてその複合構造を明らかにしようというアプローチの最近の進展をまとめるとともに,新らしい段階への糸口をさぐる上での問題提起としたい。