中間子論の観点から,π中間子吸収(生成),π中間子・原子核散乱及び中間子交換力に関する統一的考察を行なう。コニタリー変換を用いて,π中間子生成(吸収)の記述とconsistentな中間子交換力を導く。π生成(吸収)相互作用は,変換前のYukawa型相互作用ではなく,2体相互作用となる。それにより,π中間子散乱において吸収の効果を多重散乱理論に二重勘定なしに取り入れることができる。原子核波動関数は,低エネルギー領域においても一般に中間子の自由度を含むが,3π交換力,2π交換力の補正を無視する範囲では,通常の原子核波動関数に帰着する。
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