宇宙初期に大統一理論(GUT)を適用した場合に生じる真空の相転移は,それが一次転移の場合,de Sitter的宇宙の中に多数のMinkowsky泡が発生する形で進行する。この論文では,このような泡の発生に伴う時空構造のダイナミカルな変化が,量子論的粒子生成に対して安定かどうか(泡の蒸発)を,conformal couplingをしている質量零のスカラー粒子の場合について具体的に評価する。結果として,泡壁が完全に光速で広がる場合には,それの生み出す時空構造のダイナミカルな性格にもかかわらず,泡は粒子生成に対して安定であることが示される。
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