地球の質量による非ニュートン型ポテソシャルの重力勾配と高度との関係に,ニュートン型のそれとは異なる独特の形が予想されるので,広い高度の範囲にわたって重力勾配を測定することによってその形を検出できる可能性がある.湯川型ポテンシャルの係数をα とすると,地球質量が引き起こすそのポテンシャルによる重力勾配はおよそα×10
-6S
-2のオーダーである.一方,球面調和関数に展開された地球の重力場の次数3以上の高次の項や,地球内部の質量の不確定さの重力勾配に与える影響は10
-10S
-2以下であり,地球モデルを用いれば10
-12S
-2のオーダーまでその影響を補正することが可能である.その勾配はa=10
-6とした非二ュートン型ポテンシャルの重力勾配と同程度の大きさである.一対の超伝導加速度計やファブリペロー干渉計を用いた重力偏差計は10
-13S
-2以下の感度があるので,この非ニュートソ型ポテンシャルの重力勾配を測定するのにもっとも有効であると思われる.これらのことから,α の値が10
-6以上で,非ニュートン型ポテンシャルの及ぶ範囲を示すパラメータλが10
5m以下であれば,非ニュートン型ポテンシャルの存否を重力勾配測定によって検出することが可能であると思われる.
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