測地学会誌
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42 巻, 4 号
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  • 佐藤 忠弘, 田村 良明, 大久保 修平, 吉田 茂生
    1996 年 42 巻 4 号 p. 225-232
    発行日: 1997/02/25
    公開日: 2011/07/05
    ジャーナル フリー
     1996年5月25日から29日の5日間にかけて,絶対重力計FG5#109を使い江刺地環潮汐観測施設(1atitude:39°08′53″N,longitude:141°20′07″E,and altitude:393m)に設置されている超伝導重力計(SG)#007の検定を行った.この検定から,SGのスケールファクターとして-56.334±0.118μGal/V(1μGal=10-8ms-2)の値を得た.また,従来採用していたSG#007のスケールファクター56.234μGal/V(複数のLaCoste&Romberg重力計で観測された潮汐振幅に基づいて決めた値)が今回の検定で決められた値と0.2% 以内の差で一致していることが確認された. FG5による検定の信頼度を調べる目的で,1993年にNOAA(National Oceanographic and Atmospheric Administration)のグループによる江刺におけるFG5#102よる観測)と今回の観測値との比較を行った.その結果,両者の潮汐予測値に対する比例係数は0.17%で一致しており,この重力計を使って1% 以上の精度で検定できることが確かめられた.
  • 加藤 照之, 小竹 美子, 茶珎 俊一, 飯村 友三郎, 宮崎 真一, 金沢 輝雄, 末広 潔
    1996 年 42 巻 4 号 p. 233-243
    発行日: 1997/02/25
    公開日: 2010/09/07
    ジャーナル フリー
     沖ノ鳥島はフィリピン海プレートの中央部にあってフィリピン海プレートの運動の監視には極めて重要な点である. この島の護岸に設置された一等三角点において1989年以来GPS観測が繰り返し実施された. これらのうち1992年6月,1994年6月,1995年3月,同年5月,及び1996年4月の観測データを解析した. 本土側で観測された点のうち,つくば(GS15)を基準点として基線解析を行い, 沖ノ鳬島の観測点の変位速度を算出した. 解析に際してはITRF93基準座標系を用い,国際GPSサービス機構(IGS)から精密暦を入手して基線解析を行った.得られた結果から直線近似で沖ノ鳥島の変位速度ベクトルを求めたところ,(Vns,Vew)=(1.08±0.81,-2.77±1.04)cm/yrとなった. これに,Heki(1996)によって求められているつくばのユーラシアプレート安定地塊に対する変位速度を考慮したところ(Vns,Vew)=(3.00±0.84,-5.17±1.06)cm/yrとなった.これはSenoetal.(1993)によって地震のスリップベクトルから求められているユーラシアに対するフィリピン海プレートのEulerベクトルから算出された(Vns,Vew)=(2.87,-5.81)cm/yrに極めて近い. このことから, 沖ノ鳥島が最近少なくとも数百年間は定常的に運動していると考えてよいと思われる.
  • 瀬川 爾朗, 中井 新二, 福田 洋一, 藤本 博巳
    1996 年 42 巻 4 号 p. 245-261
    発行日: 1997/02/25
    公開日: 2010/09/07
    ジャーナル フリー
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