測地学会誌
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54 巻, 4 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 小山 泰弘, 近藤 哲朗, 市川 隆一
    2008 年 54 巻 4 号 p. 203
    発行日: 2008年
    公開日: 2013/02/25
    ジャーナル フリー
  • 高島 和宏, 石原 操
    2008 年 54 巻 4 号 p. 205-219
    発行日: 2008年
    公開日: 2013/02/25
    ジャーナル フリー
    Geographical Survey Institute (GSI) carries out the Very Long Baseline Survey using the technology of Very Long Baseline Interferometory (VLBI) since 1984 in order to detect plate movements and crustal deformation around Japanese islands, and to connect with international terrestrial reference frame, and to monitor the global changes such as sea level rise or earth orientation. GSI introduced transportable VLBI antennas through collaboration with Radio Research Laboratory (RRL), and then carried out VLBI experiments at nine sites in Japan and Korea for 12 years from 1984 to 1995. In 1995, Shintotsukawa VLBI station was established as the first step to fixed domestic VLBI antenna network. In Japan, as of April 2002, the old Tokyo Datum was legally superseded by a brand new one, the Japanese Geodetic Datum 2000 (JGD2000) based on International Terrestrial Reference Frame (ITRF). Kashima VLBI station which participated in long term international VLBI observations and domestic mobile VLBI stations contributed to define the framework of JGD2000. International VLBI Service for Geodesy and Astrometry (IVS) was established in 1999 as an organization promoting global collaboration on VLBI activity. GSI participates in IVS as an observing station and a correlation center. This paper reports the transition of VLBI at GSI from introduction period to present.
  • 小門 研亮, 栗原 忍, 松坂 茂
    2008 年 54 巻 4 号 p. 221-231
    発行日: 2008年
    公開日: 2013/02/25
    ジャーナル フリー
    国土地理院のつくば32mVLBI観測局は1998年に建設され, 今年で10年目を迎える. つくば32mVLBI観測局は日本経緯度原点の方位原点であり, 国土地理院における国内VLBI観測 (JADE観測) の中心として活動している. この10年間で, VLBI観測の高度化を目指し, 観測記録装置の更新や高速ネットワークを用いたデータ転送方式の導入などのシステム更新を実施してきた. 現在, 参加観測数は年間約190回にまで増加しており, 国際VLBI事業 (IVS) においても重要な観測局となっている. また, 国土地理院はつくばVLBI相関局を有しており, 国内・国際観測の相関処理を実施している. 相関システムは2005年にハードウェア相関システムからソフトウェア相関システムに移行された. 現在, つくばVLBI相関局は年間100以上の観測データを処理している.
  • 近藤 哲朗, 小山 泰弘, 市川 隆一, 関戸 衛, 川合 栄治, 木村 守孝
    2008 年 54 巻 4 号 p. 233-248
    発行日: 2008年
    公開日: 2013/02/25
    ジャーナル フリー
    情報通信研究機構 (NICT) は国際VLBI事業 (IVS) の技術開発センターとして長年に亘ってVLBI技術開発に貢献してきている. NICTは1990年代からK5と呼ばれる一連のVLBI観測用サンプラーを開発してきている. K5システムはデータ記録に市販のPCを使用するように設計されており, 観測生データをインターネットを介して転送すること (e-VLBI) に適したシステムである. サンプラーの開発と並行してK5データを処理するためのソフトウェア相関器も開発された. VSSPシリーズと名付けられているVLBI用サンプラーはホストPCにPCIバスまたはUSB2.0インターフェースを介して直接接続することができ, 最新のVSSP32と呼ばれるサンプラーは1ユニットで4ch×1bit×64MHzサンプリングが可能である. したがってVSSP32を4ユニット使用することにより測地VLBIの標準モードである16ch (計1024Mbps) の観測が可能である. VSSPシリーズサンプラーは現在では測地VLBI観測用途だけでなく広く電波天文観測や精密時刻比較にも使用されている.
  • 小山 泰弘, 近藤 哲朗, 関戸 衛, 中島 潤一, 木村 守孝, 竹内 央
    2008 年 54 巻 4 号 p. 249-258
    発行日: 2008年
    公開日: 2013/02/25
    ジャーナル フリー
    K5VLBIシステムの開発は1999年に始まり, 観測セッションの目的に応じて変化する観測形態や設定に対して柔軟に対応できるようにするため, 多種多様な観測システムやデータ解析システムが開発されてきた. K5VLBIシステムは, コンポーネント化されたハードウェアとソフトウェアを組み合わせることで, 高速ネットワークを用いてデータをリアルタイムに伝送して処理することや, さまざまな観測モードに対応することを可能にしている. 一方, 異なる機関で独立に開発された観測装置やデータ処理装置間の相互接続性を確保するため, VLBIに関連する研究者が集まってVLBI標準インターフェース (VSI) の仕様が議論され, 制定されている. VSIのうち, ハードウェアの仕様を定めるVSI-Hでは, 異なる装置を接続するインターフェースの電気的および物理的な特性を規定しており, このインターフェースを採用した装置同士を容易に接続することを可能にすると期待されている. 本論文では, K5VLBIシステムにおいて, VSI-Hに対応させるための開発などを中心に報告し, 国際標準化への取り組みや相互接続性の確保について述べる.
  • 石井 敦利, 市川 隆一, 瀧口 博士, 久保木 裕充, 関戸 衛, 小山 泰弘, 大内 裕司
    2008 年 54 巻 4 号 p. 259-268
    発行日: 2008年
    公開日: 2013/02/25
    ジャーナル フリー
    近年開発されたレーザ励起Csガスセル型原子発振器 (以下Csガスセル発振器) は, 従来からVLBIの周波数標準として利用されている水素メーザ原子発振器 (以下水素メーザ発振器) に近い周波数安定度を有する発振器である. その周波数安定度はアラン標準偏差で平均化時間10秒において2×10-13, 平均化時間1000秒では2.5×10-14まで達する. これはS帯, X帯の周波数でVLBI観測を行う際の干渉性を保つのに十分な周波数安定度である. このCsガスセル発振器は, デスクトップPC一台ほどの形状・重量で水素メーザと比較すると取扱いも容易である. このCsガスセル発振器がVLBIの周波数標準として利用可能であれば, VLBI観測局に必要とされるスペースは劇的に小さくなり, 移動型のVLBI観測局への利用が期待できる. そこで, 一方の観測局の周波数標準をCsガスセル発振器とし, もう一方の観測局の周波数標準を水素メーザ発振器として110kmの基線 (茨城県鹿嶋市と東京都小金井市) で測地VLBI実験を実施した. この測地VLBI実験で推定された基線長は, 両方の観測局とも周波数標準として水素メーザ発振器を用いた測地VLBI実験の結果と1mm以内で一致した. この結果より, Csガスセル発振器は測地VLBIの周波数標準として十分な安定度を持っていると結論づけた.
  • 高羽 浩, 須藤 広志, 若松 謙一, 川口 則幸, 河野 祐介, 小山 友明, 高島 和宏, 石本 正芳, 小山 泰弘, 近藤 哲朗, 関 ...
    2008 年 54 巻 4 号 p. 269-278
    発行日: 2008年
    公開日: 2013/02/25
    ジャーナル フリー
    ギガビット・リアルタイムe-VLBI測地化システムの開発について報告する. 国立情報学研の運用する「スーパーSINET」を用いて, 国土地理院・つくば32m鏡と国立天文台・三鷹, 岐阜大学11m鏡の間を2.4Gbpsの光回線で接続し, 実験を行った. 光回線の双方向伝送を活かし, 上りと下りでSIX帯の2Gbpsのデータをそれぞれ伝送し, 国立天文台および岐阜大学に設置された相関器で分散相関処理を行うことで4Gbpsという世界最高速度のリアルタイム測地e-VLBIを実現した. 広帯域データによる遅延時間決定について, ガウスフィット法を用いる方法を導入し, 高精度の遅延時間決定ができることが明らかになった. また, 位相傾斜による遅延時間の決定法についても開発を行い, ガウスフィット法とほぼ同程度の遅延時間決定精度があることがわかった. 国土地理院のJADE観測で従来の磁気記録方式 (K4, K5) とe-VLBIの同時観測を行い, 遅延時間を比較したところ, K4, K5に比べてe-VLBIの遅延時間は1日で数100ps移動することがわかった. これはホーンの前からP-cal信号を注入してバンド幅合成を行なうK4, K5ではキャンセルされる, 観測室と受信機間のケーブル長の温度変動がe-VLBIでは現れたためと考えられる. この変動は基線解析ではクロックの推定で吸収され, K4, K5とe-VLBIの基線長が3mm以内で一致する測地結果を得ることができた.
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