近代官僚制は,絶対主義官僚制から立憲主義官僚制,合理主義官僚制を経てその装いを完成してきた.だが,行政国家の進展に伴い,行政の機能転換が生じ,「法律による行政」から「法律を手段とする行政」へと移行するにつれて,官僚制を政治的に統制するための前提が浸触された.そのため,行政の本来的主体たるべき市民が客体に転落している.この現実を直視しつつ,市民が再び行政の主体たる立場を回復しうる官僚制のあり方を模索した労作.
官僚制は,その組織的専門能力の故に現代テクノクラシー社会の政策決定に当って,ますます大きな役割を担うことになる.それ故に,官僚制は,政治的に何らかのコントロールを必要とする.本稿は,現代における,新しい政策への官僚制の不適応性の源泉を解明しつつ,専門職と政治の関連を論じ,わが国官僚制の稟議式決定の問題点を指摘する.そして自治と参加による,官僚制コントロールの可能性を展望する.
本論文では,自治体内部の組織構造が内外環境の変化に対応して,どのように再編成過程をたどるかが,事例研究によって解明されている.明らかにされた再編成の方向は,職員各層が自己目的を個別化し,それをできるだけ有利に達成できるように組織構造を制度化するという方向であった.まさしく,その過程は理念からの逸脱であり,「目的と手段の置換」過程であった.
官僚制理論の経営学における意義の解明の一つの重要な前提は,両者の交錯を体系的に把握することにあるが,その一大障害が「官僚制」の概念的不安定性に根ざすアプローチの混乱にあるとすれば,何らかの概念形成の戦略の下にこれを打破し,それらを相互に有機的に関連づけてとらえうる概念的枠組みの構築が必要であろう.本稿は「経営官僚制」と「統治官僚制」の基本的な概念的区分を明確にして,両者の有機的な関連づけを試みた論稿.
マックス・ヴェーバー以後,彼の官僚制理論を古典理論として継承・発展させてきた組織社会学の研究文献が中心的に取り上げられている.すなわち,マックス・ヴェーバーの官僚制的理念型が,次元的諸変数に変換された方向を探り,この方向から進展した,次元的アプローチの展開過程とその研究成果が考察される.同時に,この次元的アプローチによる組織の比較分析の検討に利するために,この研究分野の他の文献も取り上げられている.
参加的組織とは,当該組織の成員および当該組織に関係のある諸組織の成員,もしくは当該組織に関係のある個人が,当該組織の組織目標を達成させるための様々なレベルにおける意思形成,もしくは組織運営に参加できるような機構を有する組織であると定義して,主に構造論的アプローチにより西ドイツの経営参加制度が分析される.西ドイツにおける労働組合の経営参加,従業員の経営参加,事業所従業員会の経営参加を再度明らかにしようと試みた論文.
組織を環境と結びつけて論ずることは,組織論にとって基本的課題である.本稿では,その重要な一分野を構成する「組織間関係」を分析するための基礎作業が行なわれている.分析枠組としては,組織セット・モデルが提示され,そのモデルにそって組織間関係を認識するための種々の問題群が整序され,その理論的意味を明らかにしようとしている.