今日の企業をめぐる環境の変動は,単に経済的にのみでなく,社会的歴史的な視野をもって捉えなければならないものである.
企業は,この変動に対して,統制を強化することによって適応しようとしても,それは一時しのぎにすぎず,却って混乱を招く.企業内民主主義などを通じての従業員の創意工夫の発揮による生産性の向上こそ,本質的な適応への道であり,またこれを可能にさせる質的に高度なリーダーシップこそ,いま必要とされていることである.
これは,繊維の他に多角化した事業分野をもつ旭化成工業(株)が昭和45年以降の環境変化に対して,その組織をどのように改革してきたかを示している.
その改革の要点は,トップ・マネジメントに実質的意思決定の責任を持たせ,人員・資金・エネルギー・物流等の効率化を推進し,公害問題や消費者問題に対応する部門を設置し,さらに活力のある組織風土を培養するように努めるということであった.
日本綱管(株)は,低成長への移行という環境変化に対応するため,一連の組織改革を実施した――多角化・分権化の推進,マネジメントの手続きの簡素化,管理職制度の改訂――.
底に流れる理念は,組織を柔軟でダイナミックな体質に改革し,仕事をやる人の個性が反映する活き活きとした組織を実現しようということにあった.資格と役職を分離し,組織構造を柔軟にしようとした管理職制度改訂の説明に重点を置いて,改革の経緯を紹介した.
この論文は,まず社会全体を,結局組織間の関係として見て,組織の環境適応とは,他の組織からの新しい要求に応ずることによって,自らの目的を達成することであるとする組織間関係のモデルを提示している.
ついでこのモデルを用いて,環境変化に対する感受性の高い組織の特徴を明らかにし,これを通じて,常に問題を解決しうる自己調整能力をもつ社会の描写に及ぶ.
組織研究は「残余環境」,「課業環境」,「組織間環境」へと組織環境の認識レベルを変えてきた.本論は「課業環境」,「組織間環境」のそれぞれについて組織的合理性モデルと組織間関係システム・モデルを提示し,前者についてはその理論的性格と限界を指摘し,後者については組織間環境の分祈枠組にもとづいて,焦点組織の自律性と有効性を検討し,さらに社会的ネットワークのなかでの組織の動的適応プロセスを模索した.
筆者は社会学の「主意主義」の批判的検討をとおして,それにまつわりついている自己中心化思想を剔抉し,それを克服するために自己―他者の共感的了解にもとづく相互主観的世界として〈ボランタリズム〉の世界を復権しようとする.この立場から組織の今日的環境として,組織を取り囲んでいる<運動>の布置状況に目を向け,組織と運動の対抗性という視点から組織の自己中心化を批判し,組織論への新たな展望を拓こうとする.