パーソンズ教授は,ヨーロッパの社会科学の諸理論を綜合して,「行為システムの一般理論」,「社会システム」をはじめ多くの著作の中で,現代社会の構造機能分析に関する創造的理論を発表してきた.昨秋本学会関西支部において,教授の組織理論について講演を依頼したところ,組織の概念,組織の分析枠組,ウェバーの官僚制的組織についての批判および教育革命にもとづく組織の変革について,パーソンズの社会学の構想の一部を展開した.
日本的経営は官民協調制度という社会経済機構によって維持されているので本社の意思決定に依存するという本社集権制をまぬがれえない.この本社集権制はサラリーマン経営とその重階層性を形態的特徴としており,このことから免責経営を生み出しやすい.他方では職場小集団活動の推進が自主管理の性質をもち始め,専門職制度の普及によって自主管理がますます発達する展望をもっている.
免責経営と自主管理との衝突が日本的経営の今後を制約するであろう.
制御技術の発展が組織管理に与えてきた影響は,オートメーションのインパクトを組織体がどのように受けとめてきたかを考えてみるとよい.この歴史的過程を通して,未来の組織像を垣間見るに,情報システムの進展と今後の方向性は,組織の変化を予想する上で重要なポイントになる.ここではこれを統合の中の分割管理的な情報システム運用として考察し,そのもとでの組織成長を考えた.
大規模時代は終ったとする風潮の強い咋今であるが,この論文は,現代社会を能率的に維持して行くためには大規模組織は不可欠の存在であることを立証しようとしたものである.従来からの規模の経済性の議綸に加えて,取引コストの観点から言っても大規模組織は有利であること,また,大規模化の弊害として人間疎外現象が言われてきたが,実際にはむしろ大企業の従業員の方が満足度が高く,大規模化を排撃する理由は何もないことが強調されている.
企業規模の優位性について,スタティックな観点から「大企業か中小企業か」といった二者択一的な問題設定は不毛である.現時点は,歴史的な時代の転換点である.これまでの工業化,脱工業化を相対化し,新しい視点から企業規模の意義を再検討しなければなるまい.大規模組織の相対的優位はいまや低下しつつあり,組織の変革が不可避になっている.
前号は,日本経営の基礎的説明単位と考えられる職場集団の特質を,ブルーカラー,ホワイトカラーそれぞれについて分析し,その行動的意味と役割をあきらかにした.
その上で本稿において,日本経営における職場集団一般の基本的属性をあきらかにし,これと一定の関連において,日本経営における意思決定の型を,個人的意思決定-集団的意思決定,トップ・ダウンとボトム・アップの検討を通してあきらかにする.本稿全体の目的は,日本経営の行動様式に関する仮説の探索にあり,仮説検証にはない.