徴視的・心理分析的アプローチの優位した1960年代前半までの組織研究に対して,近年は巨視的・構造分析的アプローチの優位がめだつ.これについて,組織構造は組織機能と関連づけてはじめて意味をもつものであり,また組織機能は社会レベルと個人レべルの二面性において考えられねばならないことを主張し,行為分析・構造分析・機能分析の三者の密接なむすびつきが強められるべきことを示唆する.
社会学は集団類型論,官僚制論,社会再組織論,集合行動論といったテーマを通じて,組織研究に寄与してきた.組織科学の発展のために,組織分析,組織連関分析,組織化分析の三つの研究領域の間の交流が必要である.
人問は,ハイクラスなサイバネティック・システムである.このような人間から構成される組織はいうまでもなく,サーボメカニズムとなっている.したがって,組織行動の研究は,サイバネティクス(システムと制御の一般理論)の研究と切り離すことはできない.サイバネティクスで発見されている一般命題や基本概念は組織の運動法則を解明する場合に強力な武器となるであろう.
組織のコンティンジェンシー理論の諸理論と方法論の展開をリビューし,今後の課題が組織-環境関係の多元的適合関係の究明と動学化にあることを指摘し,そのためには定量的調査方法と定性的調査方法の融合が必要であることを提唱する.
本稿は組織のポリティカル・アプローチのための一般的な分析枠組を情報処理パラダイムに基づいて構築しようとしたものである.そのための予備作業として米国の政治学の動向を概観し,Eastonの政治体系論を要約した.次いで組織綸の分野ですでに開発されている代表的なポリティカル・モデルであるZaldの政治経済モデルを要約検討し,これにかわる一般モデルとその含意を展開した.
アメリカの組織行動モチベーションの研究においては,expectancy-valence theoryがその主流をなしているが,わが国においては,研究はおろか,ほとんど全くといってよいほどこの理論は知られていない.本稿は,この理論の概要をわかりやすい事例で説明し,かつ筆者らが行った三つの研究を紹介して,この理論が日本人の組織行動の研究にも適用可能であることを示唆している.