リーダーシップ現象に関する行動科学的アプローチとして,四種のリサーチタイプを区別できる.即ち,一般指導形態学と特殊指導形態学,一般指導力学と特殊指導力学である.
一般的,または特殊的,個別的見地から,前者二つはリーダーシップ行動の記述,分類,定義を行い,後者二つはリーダーシップ現象の条件発生的関係,即ち,法則性追求を行う分野である.
リーダーシップの科学はまた規範科学である.
革新の制度化によってプロジェクト組織が企業内に堅固たる地位を確立するとき,旧来からの部門組織との間に文化的対立,ひいてはリーダーシップの抗争が生じる.二つの組織を合成しようとするマトリックス組織は,本質的にこうした葛藤を解消する能力を欠いている.
リーダーシップ・スタイルないし行動と集団-課題状況諸変数との相互作用から集団業績が規定されるという視点から構成された,コンティンジェンシー・アプローチを最近の主要な究研結果を用いて検討する.フィードラーのリーダーシップ・スタイル指標であるLPC得点に関する筆者の新しい仮説の提示,リーダーの知能,経験の問題の再考,さらにコンティンジェンシー・アプローチが共通にかかえる問題点の考察を含む.
経営戦略を組織的に研究するための新しい分析パラダイムが提唱される.それに基づく分析結果は,直面する状況特性が異なれば企業が選択する戦略および組織も異なること,その組織適応は基本的に多元的・複合的であること,の2点を示している.そのことから,組織のダイナミクスと制度的リーダーシップに関しても,新しい洞察が得られる.
組織におけるリーダーシップの研究を,組織構造,管理システム,集団特性,タスク特性,部下特性と関連づけておこなうことは,組織論的含意・管理論的含意に富む現実的なリーダーシップ論を樹立する上で不可欠である.コンティンジェンシーアプローチが「適合」の概念を中心にこの課題に答えようとするのに対して,リーダーシップの代替物という構成概念に基づくアプローチは,組織的諸要因がリーダー行動の機能を「代替」するという観点から,この課題に挑戦する新たな研究動向である.代替物アプローチの特徴,理論的基礎,組織論的含意,その限界を探求する.