組織有効性論の内容は多岐に分れ,概念,規準,指標,測定法等,あらゆる論点について建設的研究成果が累積されつつあるとはいい難い状況にある.本稿では,組織有効性の規準が諸論点の接合点に位置する戦略的課題であるとし,その性格と内容を組織有効性の諸モデルを通観しながら検討する.組織有効性論の深化には,組織の目的と業績に関する研究との交流の緊密化が必要であることをあわせて訴える.
組織有効性を組織がなすべきことの達成度ないし達成能力と解すると,この広義の有効性にはバーナードのいう有効性のほかに能率および道徳性が含まれよう.時代により,組織により,主要基準に移転があり,組織有効性の評価は主要基準に照してなさるべきである.これからの組織では,道徳性を基礎にして,はじめて有効性と能率の実現が可能になるのではないか.バーナード理論の解釈を通じて試みた組織有効性理論序説である.
「ジャングル」的状況にある現在の組織有効性研究にとって,組織有効性の適切な概念は不可欠のものである.これまでの主な組織有効性の諸概念が批判的に検討され,まず,論理的帰結としての論理モデルがその基本モデルとして提起される.しかし,このモデルは組織有効性測定のモデルとして現実性に欠けるため,このモデルにもとづいて現実に適合するモデルが展開される.現実モデルとしての測定主体モデルである.
組織有効性の問題は組織研究の核心の一つと考えられる.この問題に対するアプローチとして,組織分析の基礎である組織モデルをビーア(S. Beer)のサイバネティク・モデルに求めて,そこでの有効性判定の基準を考察した.必要多様性の充足という適応システムの基本法則に基づく組織サイバネティクスの理論から一つの外部バランスと二つの内部バランスという有効性の基準が導き出される.
従業員の職務や職場に対する満足度という観点から捉えられた組織風土は,生産性との問に一貫した関係が見出されていない.しかし,組織風土は組織の生産性を確かに決定づけているし,その適切な測定具は組織の最終成果を方向づける媒介変数として,さらに経営戦略を方向づける経営資源の指標として吟味することができる.本稿は組織有効性の指標として組織風土調査を開発し,その妥当性を組織成果との関係を分析することにより検証したものである.
エンカウンター・グループ訓練の有効性を測定するための,因子分析的手法導入について解説した.まず,エンカウンター・グループ訓練の意味についての学習理論的観点からの解説を試みた.ひきつづき,因子分析法の導入により,この理論の潜在3概念,個体防衛,グループ形成,および,相互啓発の確証可能なことを2つの調査的研究により示した.最後に関連事項とエンカウンター・グループ研究に対する関連事項にも触れた.