本稿は日本の企業集団の今日的問題の(1)問題の所在,(2)企業集団が形成されてきた実際目的を明らかにし,いわば自然的過程として展開してきた企業集団が組織としていかに再編成されねばならないかを論述する.この再編成において,効率化のための綜合的利益管理をこえた戦略経営の組織化への新しい方向を提示する.
今日成熟期に達している日本の産業は,生産性は高いが,かえって技術革新の力を弱めていくという「生産性のジレンマ」をかかえている.それから脱却するためには,興隆しつつある新しい産業のもつ技術開発力をとり入れていかなければならない.本稿では,産業ライフ・サイクルの今日の局面における問題を明らかにし,新旧両産業のもつそれぞれの特徴を融合させることによって,産業を蘇生させるための戦略を探ぐる.
ディジタル技術のコンピュータとアナログ技術の通信とが今やLSI基盤の上でディジタル結合し,さらに経営諸科学の助力を得て,全く装いを新たにした情報技術がマネジメントにどのような影響を及ぼすか.それは人間との対話を通じ人間の管理限界を拡大,未知への挑戦を可能にし,コントロール・システムとしては報告の例外化,定型的意思決定の自動化が実現しよう.
外的環境の複雑性・動態性・不確実性の増大にともなって,それへの企業の戦略的適応の舵をとるトップ・マネジメントの責務はいよいよ困難なものとなり,それを補佐するゼネラル・スタッフの役割は大きく重要性を増している.本稿では,わが国主要企業のゼネラル・スタッフ部門の実態調査によりその現状を明らかにし,アメリカ企業の実態調査とも比較しながら,同部門の課題について考察する.
日本における全社的品質行理CWQCの形成過程をのべ,そこであらわれた経営組織面の活動を紹介した.フォーマルな部門管理にくわえて,インフォーマル組織の活動をのべ,さらにCWQCの組織面の特微の一つである機能別管理について詳説した.さらに最近の製品別管理および新製品開発管理における品質機能展開について紹介した.
自律的小集団方式による組織活性化の実践は,組織成員個々人の能力開発を企図する企業内教育がもっている限界を克服したかに見えたが,ここにきて一種の停滞現象を呈している.こうした中から再燃しはじめた企業内教育への期待に応えるためには,組織における個人の社会化過程への理解を深めなければならない.そのような視点に立って組織内個人行動の統合的モデルを示そうとする.
今日経営戦略論が盛んである.にも拘わらず,経営戦略の解明を通して,企業行動―組織行動の理論的解明がどう有効に行なわれ,また実践的指針が与えられうるのか,十分つめられないままに戦略という言葉が乱用され,それだけで何か新しい事象が語られるかのごとき印象さえ生まれている.
本稿は,経営戦略論に重要な頁献をしたと思われる業績を批判的にサーベイすると共に,問題点の所在を明らかにすることにより,理論的深化の方向を探りながら,殆んど手つかずに残された領域を指示することを含めて,経営戦略論の全体像を展望したいと思う.