経営計画の戦略思考は,今日の企業経営において,一層重要性を高めてきている.これまでの経営計画は,「方法」の開発に重心が置かれ,「組織」面からの接近は少なかった.本論では,計画体系を「最適解の探索」面と「最適問いの探索」面に分け,さらに「組織」視点をも取入れて,再構築しようと試みる.特に,将来経営構想と革新機会の発見を志向する「最適問いの探索」に関する「方法」と「組織」との両面の解決方向が論じられる.
現在の消費不況は,たんなる需要一巡や実質所得の伸びなやみによるものではなく 消費需要の変化に供給が的確に対応できないでいることによるものと思われる.しかも,既存の産業化の論理で,供給者側から一方的に商品を開発し売り込むことには限界が生じている.需要側と供給側との情報の相互交流を進め,それをマーチャンダイジングに活かすことが必要であり.それは生産・流通システムの組織革新を意味する.
80年代を迎えて,キャプテン・システムや双方向CATVなど,ニュー・メディアの動向が注目されるようになった.これらはテレショッピングやホーム・バンキングによって流通革新をもたらそうとするものである.さらに,それは流通分野における企業の組織革新を必然的にもたらすことになるであろう.本誌は最近における情報革新が流通革新へ,そしてついには組織革新へと発展する過程を、鳥瞰しようと試みるものである.
大型スーパーの業績不振と消費の個性化現象を短絡的に結びつけて,チェーン粗織それ自身の有効性を疑う意見が流行し始めているが,流通業の構造変化の中軸はチェーン組織の成長である.実態から乖離した組織論議の生産性を回復するために必要なことは,人間性にかなったシステムづくりに努力し成功している企業から学ぶことである.チェーン組織が不毛なのではない.良いチェーン組織と悪いチェーン組織があるだけだ.
小売業における第一次再組成(昭和49年まで),第二次再編成(昭和50年~54年)を経て,現在は第三次再編成期に入っている.第三次再編成期は,ダイエーグループの壮大な戦略を主導にして行なわれてきている.しかし,ダイエーグループの収益力が低下したことで,量販店そのものの業態の見直しと,人材力の強化に今後力が注がれ,他グループの再編成にも大きなインパクトがあろう.
日本の風土から生れた多国籍企業という視点にたって,総合商社の事業特性,組織特性,組織編成原理,組織風土,組織革新の態様を,実務家の立場から叙述する.
総合商社の歴史は,日本および世界の環境変化と共にあり,組織革新と鋭変の歴史でもあった.環境への積極対応こそ商社がこれまで存在しつづけ,新機能を付加しえた原動力であった.
本論文は,米国大規模小売業の事例を対象としてチェーン・ストア経営の本来的な意味を検討したものである.チェーン・ストア経営は大規模小売業成立の重要な基盤であり,それは管理革新というよりはよりコンテクストの広い組織革新であり,環境多様性とのコンティンジェントな関係からその構造が導き出されるものである.チェーン・ストア経営はまた,組織学習のプロセスであり,小売業態の環境適合的自己変容の基盤ともなるものである.
組織研究の伝統的パラダイムの下では,制度それ自体が組織変数として取り上げられることは,ほとんどなかった.制度は組織にとって「所与」のものであり,常に適応すべき存在とみなされてきた.しかし,制度は組織にとって,一方的に適応すべき存在ではない.それは組織に対して,明確な機能を有している.すなわち,制度は組織に課せられるさまざまな負担を軽減する機能をもつものとして,理解することができる.