これまでマーケティング意思決定の問題解決に対して多くのマネジメント・サイエンスの技法が適用されてきたが,それらは必ずしも成功していない.この主要な理由は,これまでマネジメント・サイエンスが,マーケティング意思決定過程の適応的行動についてエクスプリシットに焦点をあててこなかったことにある.いうまでもなく,マーケティング意思決定は,企業の環境の変化に対するズレを縮少し,そしてその適応力を高めることにある.本稿では,このようなマーケティング意思決定過程の適応的行動の特質を例証するために,新製品計画問題に焦点をしぼって論議を展開することにしたい.
M・ウェーバーは官僚制論の立場から合理化についての世界史的なパースペクティブを展開した.ウェーバーの提起した基本的問題は現代の組織社会において,ますます鋭角的に現われているように思われる.この論稿においては現代組織論の一つの系諸をウェーバーの官僚制論に求めながら,それを現代の社会学理論の立場から考察することによって,官僚制組織論なるものを論ずる.その基本的視角は合理化と人間性との緊張関係にある.
進歩した情報技術によって,企業の諸機能を統合する経営情報システムは,経営に新たな手法を提供するものとして注目されている.本稿では,まず経営情報システムの形成に至る情報システムの発展過程を概観しつぎにシステムの目的をのべて,これを達成するために必要な条件を示し,その機能と構成を論じ,さらにこれを実現する上での技術的諸問題に言及している.経営情報システムが有用性を発揮するためには,経営の各階層における管理者の活動が,情報処理機械との密接な連繋を保ちつつ遂行されねばならず,技術的見地からすれば,人間と機械との境界面の改善が,その重要な鍵であるといえよう.
コンピュータの普及は,組織に対してもいろいろな諸影響を与えている.まずそのもとでは情報システムの再認識,情報活用の再検討,さらに組織編成の新しい方式の採用などが強く求められている.本稿ではこれらの点を,組織における情報の問題,コンピューター・ネットワークの問題,組織の原則,変革に対する順応性の問題などに分けて考察してみた.コンピューターは組織に対して新しい可能性を示しているものといえるであろう.
組織の変革をもたらす誘因には,企業の外部環境の変化と内部条件の変動が挙げられる.そして,内部条件の変動によって誘発される組織の変革には,長い組織の歴史のなかで,いろいろな流れがあった.そのなかでは,生産方式の自動化(マシン),アメリカ経営学による管理方式(マネジメント),能力主義(マンパワー)などによる動機づけなどが特徴的なものであった.現時点そして今後のある時期,組織の変革に従来以上の強烈な影響を与えるものがあるとすれば,それはコンピューターに裏付けられた多面的なシステム展開であることは論を俟たない.本稿では,コンピューターないしコンピューターシステムが本格的に展開されたときの企業組織への影響について現状そのものでもなくまたあまり遠い将来図でもない観点に立って私見をとりまとめてみた.