組織科学
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24 巻, 2 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
特集
  • 花田 光世, 日置 弘一郎
    1991 年 24 巻 2 号 p. 2-9
    発行日: 1991年
    公開日: 2022/07/15
    ジャーナル フリー
     日本型モデルは何かについて明確な合意が存在しているわけではないが,日本の企業や組織の特性をどのようにとらえるか,海外の研究者たちが日本的経営の紹介の段階を超えて独自の視点からの研究が開始されつつある.本稿では本特集の論文を解説する.
  • ヴラディミール プーチック
    1991 年 24 巻 2 号 p. 10-22
    発行日: 1991年
    公開日: 2022/07/15
    ジャーナル フリー
     日本企業の経営人事戦略は,その変容過程にあるといわれるが,その変容とは,システム全体の革新を促すものとしてとらえることが可能であろうか.本論文では,変容の進展の有無を確認するというよりは,経営人事戦略として,従来の人事システムを変化・革新することこそが日本企業が生き残る選択であることを提言している.しかしその革新の結果,従来日本企業がその強みとした様々な経営活動の見直しも引き起こされ,結果として企業内に混乱が引き起こされる可能性も認めている.このような混乱を乗り切るため,人事・教育担当者は,「組織」問題を研究する科学者としての専門性を身につけ,新たな経営人事戦略構築に努力すべきであろう.
  • ――韓日相対比較の視点から下請機械工業を中心として――
    李 尹俌
    1991 年 24 巻 2 号 p. 23-36
    発行日: 1991年
    公開日: 2022/07/15
    ジャーナル フリー
     日本企業の経営的特徴と,日本的経営制度・技法の海外移転可能性を究明するためには,西欧・大企業中心の研究とともに,開発途上国・中小企業に対する研究も必要である.日本機械工業の比較優位を支えてきたと言われる下請生産システムと関連づけながら,韓日相対比較の視点から,実態調査に基づき,日本の下請機械中小企業の経営的特徴,すなわち,外部環境,準外部環境及び経営資源などについてその日本的特徴を明らかにして見る.
  • ――労務管理制度を中心として――
    林 新生
    1991 年 24 巻 2 号 p. 37-46
    発行日: 1991年
    公開日: 2022/07/15
    ジャーナル フリー
     日本的経営を中国企業に適用することは大いに可能性がある,というよりはむしろ,中国企業が自ずと日本的経営に近似していく必然性がある.経済改革以前の中国企業は,社会主義理念と伝統的秩序の合体ともいうべき‘企業共同体’であった.最盛期の日本的経営に代表される半ば解体された擬似共同体こそ,最小限の混乱と最大限の生産力効果をもって推転可能な,中国企業発展の次の段階である.
  • ――日本・韓国・台湾・中国の比較研究――
    廖 文志, 楊 杜, 尹 大栄
    1991 年 24 巻 2 号 p. 47-57
    発行日: 1991年
    公開日: 2022/07/15
    ジャーナル フリー
     韓国,台湾,中国ならびに日本(以下,極東地域と呼ぶ)は,世界的なものづくりの拠点となりつつある.そうなった理由はなにか。それは共通の理由によるものか,それとも異なった理由によるものか,カラーテレビ工場の比較調査をもとに,この地域の組織の共通点と相違点を探ることにしよう.
  • 黄 在南
    1991 年 24 巻 2 号 p. 58-67
    発行日: 1991年
    公開日: 2022/07/15
    ジャーナル フリー
     日本的経営を考える際,従来の制度レベルの静態的研究にたよらず,変動レベルにおいて日本らしさを発見する可能性を打診する.その準備作業として,変動の基礎概念になる「ゆらぎ」を組織論的な用語で記述し直して,変動のプロセス(「成長変動」と「解決変動」)を提示する.この場合,組織寿命周期論と自己組織性の理論の統合がはかられる.次は変動遂行の条件を検討するが,その際,一致性・確定性・複雑性の高い組織文化の下での意思決定方式が持つ行為の合理性に焦点をあてる.最後に,日本型変動モデルの説明可能性を示す.
自由論題
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