現代の経営において組織行動の諸特性の研究やその一般化については,これまでの官僚制理論や伝統的な管理組織論の限界を認識する立場から必要とされるだけではなく,工学的システム論の立場などからも要請されている.そこで本稿の目的は,組織に関する官僚制化の本質を問題としながら,その限界を問うことによって,組織行動理論の必要性を強調し,小集団の研究を基軸として,組織理論の定立への寄与を課題とするものである.
現代産業の官僚制化は必然的な傾向であるが,今日のような激動期においては多くの組織上,経営上の問題を露呈するに至っている.
小稿は,その官僚制の諸問題を追求し,その克服条件を見出すことを試みたものであるが,その時にとられる組織概念として,動態組織の性格を強調し,その具体化のための方法として分権化の条件を検討したのである.その典型をA.T.T.における分権化政策に見出し.その経営を発展的経営と規定してみたのである.
現代および見通しうるかぎりの未来は,官僚制支配の社会である.官僚制は支配の装置であるとともに,それ自体が支配・隷従の体系であり,官僚制は個人の自由・人間の尊厳を圧殺するものである.このようなM.ウエーバーの問題提起を検討したうえで,官僚制下において個人の尊厳をいかに維持するかの理論としてドラッカーの所説を評価し,その射程を探ろうとする.