組織科学
Online ISSN : 2187-932X
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32 巻, 2 号
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特集
自由論題
  • 寺畑 正英
    1998 年 32 巻 2 号 p. 41-53
    発行日: 1998年
    公開日: 2022/07/27
    ジャーナル フリー
     本研究は,既存のマーケティング論や戦略論で扱われている企業の市場定義には問題があることをカメラ産業の分析を通じて明らかにする.ここでは,製品知識が乏しかった「素人」が,製品使用を通じて学習し,製品知識の豊かな「玄人」へとセグメント移動を行うことを顧客の上昇移動のダイナミズムと定義しよう.既存の市場の定義の議論では顧客の上昇移動によるセグメント移動という現象を観察する上で不十分であることを示し,ここで扱われる事例の分析によってセグメンテーションと製品ラインの議論に新たな視点を提供する.
  • 高橋 伸夫
    1998 年 32 巻 2 号 p. 54-77
    発行日: 1998年
    公開日: 2022/07/27
    ジャーナル フリー
     組織学習とはどんな組織プロセスなのか.学習するのが個人ではなくて組織であるとは何を意味しているのか.こうした疑問に対して,組織学習論は1980年代から1990年代にかけて,その解答の断片を用意してきたように見える.本稿では主要な研究の整理を試みた上で,組織学習を組織内エコロジーとして定式化したMarch(1991)のシミュレーション・モデルの欠陥を指摘しつつ,これを再構築する.
  • ――ゲートキーパーからトランスフォーマーへ――
    原田 勉
    1998 年 32 巻 2 号 p. 78-96
    発行日: 1998年
    公開日: 2022/07/27
    ジャーナル フリー
     本稿の目的は,研究開発組織におけるゲートキーパーの役割について中堅工作機械メーカから収集したデータをもとに再検討を行うことにある.既存の研究では,ゲートキーパーの受け持つ機能として,①情報収集機能,②情報伝達機能,が指摘されてきたが,現在では,それに加え,③知識転換機能が重要な役割を果たしていることを議論する.そして,これらの機能のうち,情報収集機能と知識転換機能には別々の異なった,しかも相対立するスキルが要求されるため,ゲートキーパーとコミュニケーション・スターは一致せず,したがって,2段階ではなく3段階のコミュニケーション・フローが生じるというのが本稿の基本的な仮説である.
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