組織科学
Online ISSN : 2187-932X
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32 巻, 4 号
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特集
自由論題
  • ――トヨタ・グループとアイシン精機火災――
    西口 敏宏, アレクサンダ ボーデ
    1999 年 32 巻 4 号 p. 58-72
    発行日: 1999年
    公開日: 2022/07/27
    ジャーナル フリー
     日本のサプライヤー管理手法は近年欧米で多くの関心を集めてきた.しかし,これらの手法のなかで,サプライヤー同士の協調関係などの幾つかの領域は,依然として比較的見過されている.この論文では,トヨタとそのサプライヤー・ネットワークを巻き込んだ1997年の火災事故を通して,そうした関係の重要性と企業の競争力に与える含意が明らかにされる.あるサプライヤーの工場が火災に見舞われ,重要なブレーキ関連部品の供給が突然停止した時,トヨタのサプライヤー群がいかにしてグループ全体の資源を有効かつ迅速に再組織化し,同部品の生産を再開したかが記述される.そして,この顕著なグループ全体の努力がトヨタのサプライヤー・ネットワーク内に共有された潜在能力の賜物であるとの結論に達する.
  • ――機能活動間の相互依存性と組織能力の比較優位性――
    李 亨五
    1999 年 32 巻 4 号 p. 73-86
    発行日: 1999年
    公開日: 2022/07/27
    ジャーナル フリー
     本稿の目的は,日本の合繊メーカー2社が長繊維織物分野に対して採用している企業間システムを考察し,その現象を理論的に究明することである.原糸メーカーは原糸の特性によって,短期取引的原糸販売システム,PTシステム(長期取引的賃加工システム),短期取引的賃加工システムという異なった企業間システムを採用している.本稿は,原糸メーカーのこのような行動を説明するため,まず,既存理論として取引コスト論と二重構造論を取り上げ,その適用可能性と限界を考察する.次に,「機能活動間の相互依存性」と「組織能力の比較優位性」をキー概念とする独自の分析枠組を提示する.新しい分析枠組は企業間システムに関する両社間の共通点のみならず,相違点を説明する.最後に,その分析から得られる理論的・戦略的インプリケーションを議論する.
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