組織科学
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35 巻, 4 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
特集
自由論題
  • 高山 美和, 金 顕哲
    2002 年 35 巻 4 号 p. 52-67
    発行日: 2002/06/20
    公開日: 2022/08/03
    ジャーナル フリー

     本稿は,東芝クレームホームページ事件などで注目を集めている顧客相談室における顧客満足の構造を明らかにした論文である.顧客相談室に対する顧客満足の因果モデルを作り,実証した結果,まず顧客の満足度を高める顧客相談室の要因としては「相談員の専門知識とCSマインド」「当該企業の認知度」が確認できた.また相談室への顧客満足は,相談室の「再利用意図」だけでなく「当該企業の信頼度」も高める効果があることが確認できた.

  • ――青色LED開発の事例分析を通じて――
    藤井 大児
    2002 年 35 巻 4 号 p. 68-80
    発行日: 2002/06/20
    公開日: 2022/08/03
    ジャーナル フリー

     本論文の目的は,イノベーションの発生メカニズムを明らかにするという問題意識のもと,従来,開発主体にとって外生的な偶然性によってしか説明されてこなかった創造段階のメカニズムを,開発者の主体性という視点からとらえなおすことである.本論文では偶然性は戦略的に選びとれると主張する.進化論的アプローチの「イノベーションが偶然訪れる」という主張を擁護してしまうが,まったくランダムに試行錯誤を展開しても,イノベーションへ到達する保証はない.そこで開発者の主体的な相互作用のプロセスが,開発競争での多数派と少数派の形成を経由して,開発者の経験する偶然に差を生むとえる.青色LEDの開発事例の記述・分析を通じて,この論理を具体的に示した.

  • ――欧州地域統括会社の実態調査から――
    藤野 哲也
    2002 年 35 巻 4 号 p. 81-93
    発行日: 2002/06/20
    公開日: 2022/08/03
    ジャーナル フリー

     本研究では,日本企業の欧州地域統括会社訪問調査,米国地域統括会社に関する補足調査,INSEADによる地域統括会社の調査結果から,地域統括会社の機能および経営のグローバル化と国際経営組織の在り方についての検討を行なった.第1に地域統括会社には地域事業部あるいはその本部組織が含まれており,第2に親会社組織がグローバル製品別事業部を採る場合に地域統括会社が支援業務またはコーディネーション機能中心である傾向が認められた.これらは日本企業のグローバル化プロセスにおいても国際経営組織のフォーマルな構造をめぐるStopfordの「2つの途」が存在することを示している.

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