組織科学
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40 巻, 2 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
特集
  • 加護野 忠男, 上野 恭裕, 吉村 典久
    2006 年 40 巻 2 号 p. 4-14
    発行日: 2006/12/20
    公開日: 2022/08/19
    ジャーナル フリー

     本社は小さければ小さいほど良いという常識がある.小論はこの常識が正しいかどうかを確かめようとしたものである.本社は,ガバナンス,戦略調整,資源配分,共通サービス提供という4つの機能を果たしている.日本企業の本社は海外,特にイギリスと比べると大きい.しかし,その大きさが日本企業の業績にマイナスの影響を及ぼしているのではない.日本企業のデータからは,本社を小さくすれば高い成果が得られるということを支持するデータは得られなかった.むしろ,本社規模を縮減した企業は業績を低下させているという事実が明らかになった.

  • ――どのような事業から撤退し,どのような事業に進出するか――
    菊谷 達弥, 齋藤 隆志
    2006 年 40 巻 2 号 p. 15-26
    発行日: 2006/12/20
    公開日: 2022/08/19
    ジャーナル フリー

     本研究は,既存事業からの撤退,新規事業への進出という企業行動に着目する.これによって事業再編の過程としての事業ガバナンスを分析することができる.その結果,撤退と進出を同時に行うという,一見矛盾した企業行動が観察された.しかし,対象となる事業の特性を分析すると,撤退は本業との関連性の低い事業で行われ,進出は関連性の高い事業へと行われることが判明した.撤退と進出の両方向で,本業関連型の事業ポートフォリオのシフトが促されるのである.

  • ――事業統治と事業評価に関連して――
    淺田 孝幸
    2006 年 40 巻 2 号 p. 27-42
    発行日: 2006/12/20
    公開日: 2022/08/19
    ジャーナル フリー

     「失われた10年」を経験した日本において,会社を取り巻く諸制度は大きく変貌を遂げることとなった.これまで禁止されていた純粋持株会社制(HD(Holdings)システムと呼称する)が,グループ経営方法の新たな戦略的企業組織デザインとして登場することとなった.本稿では,製造業でのHDの採用事例に検討の対象をしぼり,HDシステムの下で,どのような戦略的マネジメント機能(事業評価と事業統治)が提供されるべきであるか,さらに管理会計の貢献・課題について考察を行うものである.

  • 下谷 政弘
    2006 年 40 巻 2 号 p. 43-51
    発行日: 2006/12/20
    公開日: 2022/08/19
    ジャーナル フリー

     持株会社というのは企業組織の多様なデザインのうちの一つにすぎない.しかし,戦後の日本では持株会社は半世紀の長きにわたって「禁止」され続け,「解禁」をめぐっては政治・社会問題となり,また,2002年には独占禁止法9条からその用語さえ「抹消」された.つまり,つねに特殊な扱いが求められる存在であったように思われる.本論文は,その歴史的背景を戦前の財閥コンツェルンや新興コンツェルンのあり方にまで遡って分析する.

自由論題
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