組織科学
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44 巻, 1 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
特集
自由論題
  • ──技術移転の論理と機会主義の論理──
    真保 智行
    2010 年 44 巻 1 号 p. 49-59
    発行日: 2010/09/20
    公開日: 2022/08/20
    ジャーナル フリー

     企業間での協力関係の構築はいつの時代も難しい問題の1つである.ライセンス契約ではライセンシーの吸収能力が高いと,技術移転が容易となるが,その機会主義の可能性も高まってしまう.一方,石油化学産業では日本企業は積極的に外国技術を導入してきたが,その形態にはジョイント・ベンチャーが頻繁に利用されている.そこで,本稿では技術移転の論理と機会主義の論理という考え方にもとづいて2つの対抗仮説を立 て,ライセンシーの吸収能力とライセンス契約の形態の選択との関係を統計的に検証した.

  • ──半導体MIRAIプロジェクトにおける研究開発──
    堀川 裕司
    2010 年 44 巻 1 号 p. 60-73
    発行日: 2010/09/20
    公開日: 2022/08/20
    ジャーナル フリー

     自然現象を解明することを目的とした科学と,モノを作ることを目的とした技術はどのように相互作用するのだろうか.本研究は,この問いに対する一つの仮説を提示する.本研究の基本的主張は,明示的な知識の世界と考えられている科学の世界には,暗黙的知識が副産物として深く蓄積されており,この暗黙知が新しい技術を生み出し,それを実用化していく上で非常に重要な役割を果たしている,というものである.

  • ──損害保険業における近視眼的問題対応──
    佐藤 秀典
    2010 年 44 巻 1 号 p. 74-84
    発行日: 2010/09/20
    公開日: 2022/08/20
    ジャーナル フリー

     本稿では,組織が社会的な問題を起こした際に,外部からの要請に積極的に応じることで生じる逆機能のメカニズムを明らかにした.損害保険業における保険金の不払い・払い漏れ問題の事例から,組織は正当性獲得のために近視眼的に行動せざるを得ないが,組織内部と外部の情報の非対称性からくる因果関係の認識の相違から,意図せざる結果として資源配分がゆがみ,新たな問題が発生するというジレンマが生じることが明らかになった.

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