建物の高層化は, エレベータ走行速度の高速化を促し, それにつれてシャフト隣接諸室においては, 発生音に対するクレームが多くなっている。
そこで本研究では, エレベータ走行に伴う室内発生音予測手法及び低減工法を確立するための基礎資料として, 実際の建物におけるエレベータ走行時発生音 (昇降音) の調査結果をもとに, エレベータ走行速度とレールの発生振動, 室内発生音の関係, ローラ径とレール発生振動との関係をそれぞれ検討した。
次に, 昇降音に影響を及ぼすと考えられる各種要因の中から, レールファスナの取付け位置・方法, ガイドレールの種類・継目の影響等に着目し, これらの仕様と発生振動, 昇降音との関係を検討した。最後に, 以上の検討結果を踏まえ, エレベータ各部位ごとの発生振動・昇降音低減対策項目と効果量の関係を整理した。
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