樹皮廃材を吸音材料として有効活用する目的で,それを粉砕して一定の嵩密度に圧縮した樹皮繊維について,その吸音特性を検証し,さらに垂直入射吸音率の推定方法を検討した。まず,既存の繊維系吸音モデルによる推定を行ったところ実測値との間に乖離が生じた。そこで,実測値を推定式に反映させる目的で,Two-thickness methodで測定された特性インピーダンスと伝搬定数にDelany-Bazleyモデルの近似手法を適用した。次に,嵩密度から流れ抵抗を求める推定式を,それらの実測値の関係から求めた。こうして得られた樹皮繊維に最適化された各推定式を使ったシミュレーションにより,同材料がより吸音性能を発揮しやすい圧縮条件を特定した。