最近,環境に優しく,リサイクル性,耐久性のあるポリエステル繊維系吸音材が鉄道,道路,自動車,建設機械など広い分野で使われている。本研究では,このポリエステル繊維系吸音材に関して,主に500 Hz~2 kHz帯域の吸音性能向上を図り,かつ高周波数帯域での吸音特性低下が少ない吸音材を得るために,表面層における流れ抵抗調整に着目し,表面層にスパンボンド不織布の積層構造を用いることで,従来より25%の厚み低減ができ,効率良く吸音性能が得られることを見出した。また,多孔質系吸音材料において重要なパラメータである厚み,流れ抵抗,周波数と,吸音率の関係について,一つのグラフ上で表せるように一般化も試みた。