新幹線騒音・振動による影響を調査するため, 山陽新幹線高架沿線地域の住民を対象に質問紙による疫学調査を行った。376部の質問紙を配布し, 195部の回答を得た。他の鉄道からの影響を受けると考えられる調査票を除外し171部の調査票を用いて分析を行った。神経症者の症状把握, 評価, 発見に広く用いられているGHQ28質問票を用いることにより, 騒音・振動曝露による主観的健康の低下を検出した。この健康影響は, 特に騒音感受性の高い群に生じており, 騒音による健康影響に個人差があることが確認された。また, 健康影響と各種生活妨害の関連を調べたところ, 調査対象地域の健康影響の主な原因は睡眠妨害であると推測された。
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