自殺予防と危機介入
Online ISSN : 2436-8369
Print ISSN : 1883-6046
41 巻, 1 号
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講演
日本自殺予防センター発足・日本自殺予防学会設立50 周年記念シンポジウム
シンポジウム 第1部 自殺の現状とこれからの自殺対策
原著論文
  • 土居 正人, 齋藤 菜摘
    2021 年 41 巻 1 号 p. 18-24
    発行日: 2021/03/31
    公開日: 2022/04/04
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は、自傷誘発のリスクファクターとされる生物学的基盤を持つ感受性(HSP: Highly Sensitive Person)と親から子に対して不承認的態度をとることが自傷傾向(自傷が行われる可能性の高さ)に影響を与えること、そして、そのパス経路の間には推論の誤りが媒介していることといった自傷発生の感情情報伝達過程の一端を実証的研究により検証することであった。方法として、調査は大学生314名(有効回答者数は298名)を対象に実施し、統計的解析では媒介分析を用いた。結果として、気質的な感受性であるHSPから自傷傾向の間には推論の誤りが部分的に媒介していた。そして、母親不承認を高低(平均±0.5 SD)の2群に分けて比較を行ったところ、低群では、HSPは推論の誤りを部分的に媒介していたのに対し、高群では完全に媒介していることが確認された。したがって、HSPは母親不承認が重なると、より高水準の推論の誤りを導き、その結果、自傷傾向を高めていることが示唆された。

資料
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