近年,ネットワーク工事は,従来の一括請負発注から,コンストラクション・マネジメントに似た分割発注が増えている.全国的な大規模システムでは,契約の異なる多くのステークホルダーが発生する.組織やシステム要請により,かならずしも同一指揮命令系統とはならない.このため,単独でプロジェクトを成功させることは難しい.本稿では,全国同時並行で工事が進行する状況下で,ステークホルダーとの調整と,現地対応を支援するカスタマSEの活用,また,ファシリテーション,リハーサル,フィードバックよる中核となるリーダー要員を育成,本社に設置した工事統制本部で実施した事例を紹介する.さらに,物理的に離れた拠点とイベントを共有するため,携帯電話(ウェブアクセス)を利用した進捗管理ツールが,日々刻々と状況の変化する課題解決に有効だった事例も紹介する.
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