近年,10億円以上の大規模なERPの導入プロジェクトが増加している.これらのプロジェクトには,中・小規模プロジェクトの手法はそのまま使用できず,発生する問題や課題に対し新たなマネジメント手法の開発・適用が必要である.特にERPパッケージでは常に技術革新が行われ,それらに敏感になっている必要がある.本事例は,NECのような大きな組織に対してERPパッケージを導入する際に,新たな管理手法を開発・適用したものである.このプロジェクトでは,IFS ApplicationsというERPパッケージをNECの事業部に対して適用している.この事業部では,NECのスーパコンピュータ,IAサーバおよびディスク装置を製造・販売している.この事例では大きく4つの制約条件が存在した.これらの制約条件を満たしプロジェクトをコントロールするため新たな管理手法を適用し,結果,納期も費用も当初計画内に収まり,本番稼働に成功したものである.
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