プロジェクトマネジメント学会誌

情報システムに対する品質はお客様満足向上を得る上で切り離せない重要な要素のひとつである.情報システムに対する社会的重要性が高くなってきている今日,いかに品質を確保して良い製品を提供することができるかが情報システムを構築し提供する企業においては最重要課題となっている.本稿では,当社におけるお客様満足向上に向けた取り組みとして当社の品質マネジメント活動の仕組みについて説明するとともに,その中で実践している具体的な品質管理の方法についても一部事例を交えて紹介する.

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上流工程における品質の確保,特に設計品質の確保は,システム開発を成功させるために不可欠である.設計品質は妥当なレビューを実施することで確保され,レビューでの指摘内容に偏りがないかを評価することに加え,レビューの質を定量評価するための手法を考察した.設計品質の定量的な評価は,レビューの管理指標と目標値の設定,目標値に対する達成度によって行なわれ,開発工程にフィードバックすることができる.

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ビジネス形態が多様化する中,システム建設においても,システムを自社の製品だけで構成するのは難しくなっており,ビジネスパートナーであるベンダの製品(パートナー)を採用しソリューション提供する場合が増加している.しかし,パートナー品はその内部構造や詳細な仕様が公開されないこともあり,システム稼働後に思わぬ障害を発生させたり,その原因究明と対策に長時間を要するなど,お客様にご迷惑を掛ける状況が発生している.パートナー品を取扱う場合のリスクを徹底的に洗い出し,事前に対策をとるなど品質確保プロセスを明確に規定するとともにパートナー品の品質情報を一元管理する支援システムを開発・適用した.

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PM人材育成研究部会は,2007年4月1日より新たな研究部会として結成しました.参加メンバーの大半は前期まで活動をしていたコミュニケーションマネジメント研究部会のメンバーです.現時点では総勢12名です.大学関係5名,企業関係7人で,その実務および経験はIT情報システム系関係が10名,プラントエンジニアリング関係2名です.当研究会の良いところは,参加者のコミュニケーション力が高く,毎回の議論が活発なところです.メンバーの仕事の都合で,全員が集合することも中々,困難であり,活動時間は少ないですが,その分濃縮された意見交換が出来ているのではないかと考えています.今後は更に新たなメンバーの参加も働きかけ,活動時間が短くとも意味のある結果を導き出すことを目標に活動を展開していきたいと考えています.

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