本稿では,製品のライフサイクルに焦点を当て,また,不確実性を考慮に入れ,製品周期の最適値の決定を最適停止問題として定式化し,その解と市場環境との関係を明らかにする.また,併せて,ボストン・マトリックスとの関係についても考察する.本稿での分析により,市場不確実性が多い場合や他社開発頑健性が強い場合には最適製品周期が長く,利潤の減少率が多い場合には最適製品周期が短いことが明らかとなる.また,ボストン・マトリックスとの関係については,「金のなる木」の最適製品周期が最も長く,「金のなる木」から「負け犬」あるいは「花形製品」に移行するにつれ,最適製品周期が短くなること,そして,最適製品周期が最も短いのは「問題児」であることが明らかとなる.
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