日本包装学会誌
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  • 北澤 裕明, 木下 理名, 大塚 朱莉, 佐藤 陽香, 山本 莉緒, 山田 麻子, 久徳 康史, 北澤 いたる
    2025 年 34 巻 1 号 p. 51-59
    発行日: 2025/02/01
    公開日: 2025/02/19
    ジャーナル 認証あり
    包装容器内に取り残される食品は、食品ロスの一因となることから、近い将来、そのような取り残しの発生を抑制するための包装容器の改良が進められるものと考えられる。改良点を抽出するためには、取り残しの現状および発生要因を把握することが重要である。本研究では、我が国において年間数十億個販売されていると推定される一般的な三角形のおにぎり製品に着目し、開封後、包装フィルムの間に残される海苔の量を推定した。5つの製品を対象とした調査の結果、開封後に取り残される平均の海苔の量は47.6 mgであった。この評価結果を適用し、仮に流通するおにぎりの個数を年間10億、25億、50億とすると、それぞれ47.9 Mg(=トン)、119.0 Mgおよび237.9 Mgの海苔が取り残されるものと試算された。なお、開封の確実性が取り残しの発生に影響を及ぼす可能性が推定されたことから、開封前後における包装フィルムの形態、開封のためのヒートシールパターンなどについても観察した。しかし、製品ごとのそれらの違いは軽微であり、取り残される海苔の量に影響を及ぼさないことが示唆された。従って、本研究において対象とした形状の製品において取り残される海苔の量を低減するためには、ご飯に海苔を巻くための機構を含む根本的な包装設計の見直しが必要といえる。
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