同径粒子群混合物に対する混合の尺度として, 定個数サンプリングによる着目粒子数
aの分散が用いられている。 しかしながら, 実際には定容積サンプリングがなされ, これを定個数とみなし解析している場合が多い。 このように定個数とみなした場合には, サンプル中の粒子数nのバラツキは混合度に対し誤差として影響することになる。
同径粒子群混合物から定容積サンプリングを行なったときの粒子数
nの分布はほぼ正規分布であり, サンプラーがが粒径の8-10倍以上では変動係数はほぼ0.9%であることがわかった。
また, 定容積中の粒子数
nと着目粒子数
aの相関分析の結果によれば, 母回帰が次式で示される。
a=
Xn ここで
X: 母個数濃度
すなわち, 粒子数
nは変動が小さく, 正規分布に近似でき, しかも着目粒子数
aとは正相関にあるとみなすことができる。 これから, 回帰分析の方法で粒子数
nが変動する場合の着目粒子数
aの期待値と分散を求めて次式をえた。
E(
a)=μ
nX σ
ar2=
V(
a)=μ
nX(1-
X)+
X2σ
n2 ここでμ
n: 粒子数
nの母平均 σ
n2: 粒子数
nの母分散
乱数を用いたシミュレーショシおよびビーズを用いた混合実験により, 上記の期待値および分散式の検証をおこなった結果では粒子数
nの変動係数がさらに大きい場合にもかなりよく一致する。 これより定容積サンプリングの場合の混合度が定義できる。
次に, 定容積サンプリングを定個数サンプリングとみなせる範囲について検討し, 着目粒子数
aの分散のカタヨリを相対誤差α(%) 以下におさえるサンプルサイズ
n=μ
nが次式によってえられることがわかった。
α=μ
nX/1-
X(
C.V.)・10
-2さらに, 変動係数が約
C.V.=0.9(%) であることを利用して, α=0.8μ
nX/(1-
X)・10
2の関係がえられ, 母個数濃度
Xと相対誤差αから限界のサンプルサイズ
nを決める図表を作製した。 この結果, 母個数濃度
Xが小さいときは定個数サンプリングとみなしてよいことがわかった。 これらのことはさらにビーズを用いた実験においても認めることができた。
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